表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

第1話 ここはどこ?僕は誰!?

大体週1ペースを守っていきたい。

12月分は予約投稿してるのでちゃんと投稿されます。

――昨夜視点—―


 気が付くと僕は白の中にいた。

 目が慣れてなくて白くしか見えないのかと思ったけど、いつまで経っても白いままなのでぼくはそういう結論を下した。


接続コネクト…異常なし。対象…此花朔夜このはなさくや…確認』


 何処からか不思議な声が聞こえた。

 聞いているだけで心に安心感を与えてくれるような声だ。母性が溢れているとでも言えばいいのだろうか…


『魂損傷度合い…異常あり。魂修正プログラム【転生】の使用…許諾』


 何やら話しているらしいがよくわからない。

 転生とか聞こえたが転生とはネット小説とかでよく使われている、主人公が死ぬと別の世界に生まれ変わり第二の人生を歩むアレのことだろうか…


『対象、此花朔夜…疑問を提唱。回答…是なり』


 僕が思っていただけのことに回答があった。

 まるで神様みたいだなと思う。


『再度、疑問を提唱。回答…是であり否である』


 肯定であって否定でもある、矛盾した答えだと思うと苦笑してしまった。


『【転生】の効果…対象、此花朔夜に能力【解放リリース】をインストール…成功。特典…神刀・神鳴が選択…許諾。魂修正プログラム【転生】…実行』


 ぶつりーッ、とテレビを切るような音がしたと思ったら僕の意識は闇に沈んだ。


〜〜〜


――三人称視点――


「ーーん…んぅ」


 小さくうめき声をあげた朔夜は地面に手をつき体を起こす。

 朔夜は頭を振って辺りを見渡すとそこには木が生い茂っていた。


「あ、あれ?ここどこ?えっと…僕は確か刺されてって傷は!?」


 朔夜は着た覚えのない和服に苦戦しながらもなんとか和服の前を開けるとー固まった。

 そこにはどんなに男に見えなくても生物学上男の筈の朔夜には絶対に付いていないはずのもの、胸があった。

 つまり――朔夜は女になっていた。


「えぇぇぇええええええええええ!!?」


 朔夜の絶叫が静かな森の中に響いた。

 顔を真っ赤にしながらも夢ではないのかと自身の小ぶりなただしっかりとある胸に触れる。


「あ、柔らかい…じゃなくて!なんで、なんで女になってるの!?」


 朔夜は疑問の悲鳴をあげるが此処にはその疑問に答えてくれる人物はおろか、生物すら居なかった。

 数分ぐらいするとそこには息を切らした朔夜がいた。


「はぁ…はぁ…」


 騒いだせいで肺の中の空気を全て使ってしまい肩で息をしている。


「少し、落ち着こうか…とりあえず傷はなさそうだったけど、なんで僕女の子になっちゃってるんだろう…」


 朔夜ははだけたままだった和服を整え胸が見えないようにする。

 周囲を伺うように見渡すと朔夜のすぐ近くの地面に布で出来た袋に入った棒状のものを見つけた。


「なんだろ、これ?」


 結び口を解き中身を取り出す。


「わ、こ、これって刀?」


 中から出てきたのは一本の刀だった。

 長さはおよそ65cm、黒塗りの鞘に収められ、柄糸が稲妻を連想させる青白い色をしている。

 刃が反れていて長さが60cm以上あるので打刀と言われる種類だ。


「こう言うのって鑑定しないとわからないよね」


 突然目の前に青色のパソコンの画面のようなものが出てくる。


「わ!?なにこれ!!?」


 青色の画面の中央には『解析中』と書かており、青い棒が左端から右端に向けて進んでいる。

 丁度パソコンで言う解凍中みたいな感じだ。


「…も、もしかしてこれって転生ものの小説でよく聞く鑑定なのかな?」


 そうこうしているうちに青い棒右端に到達する。すると解析中の文字が消え、刀の詳細情報が記載された画面が出てくる。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

神刀・神鳴(しんとう・かみなり)


ランク:神話級


説明

 太古の昔、神により想像された十二神具のうちの一つ。神の雷を刀状に具現化したもので内部に神霊を宿している。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「な、なんかRPGとかで出てきそうな説明だなぁ…」


 朔夜は出てきた解析結果にそんな感想を抱く。


「この鑑定って自分にはできないのかな?…やってみる価値はあるよね。えっと、自分のことを意識しながらだったらできるかな?…【鑑定】!」


 刀を鑑定した時のように青い画面が出現し解析が始まる。


「…出た!」


 青い画面が更新され朔夜の鑑定結果が表示されている。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


サクヤ(獣人族:狐人) Lv1


所属:なし


ステータス

HP 30/30

MP 180/200

力 5(+5)

魔力 15

耐力 3

速力 20(+5)


スキル

【鑑定】【解放リリース


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「獣人族?きつね…びと?」


 サクヤは恐る恐る側頭部を触ってみるとそこには耳が無かった。側面に当てた手をそのまま頭頂部に向けて上げていく。頭頂部付近に髪とは違ったフサフサとした感触がサクヤの手に伝わる。

 サクヤは手を開きそれを握ってみる。


「ひゃっ!?…ん、フサフサしてて結構敏感?…さっきから腰が少し重いなーって思ったけどまさか…」


 腰の辺りを見るとそこには立派な狐の尻尾が生えていた。


「おぉ…ある程度なら自分の意思で動かせるんだね。……自分のだし触っても大丈夫だよね?」


 サクヤは尻尾を手で掴む。


「柔らかいなぁ〜」


 もふもふ、もふもふ、もふもふ…

 しばらくの間一心不乱に尻尾をもふもふするサクヤ。


「は!つい夢中になっちゃった」


 数分ぐらいもふもふしてようやく手を離したサクヤはステータスについて考え始める。


「MPが減ってる?マジックポイントのことかな?鑑定しかしてないから鑑定で減ったのかな?だとすると鑑定では1回に10MP消費するのかな?鑑定に鑑定とかできたり…あ、できた」


 鑑定結果が表示されている青い画面の横に小さな画面が出現しそこに鑑定について書かれている。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

スキル【鑑定】


消費MP10


使用方法

 鑑定したい対象を頭で思い描きながら【鑑定】と唱える。


説明

 MPを10消費して物や人を鑑定するスキル。鑑定師として修行を積むことにより取得できる。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「んー、MPが減ってない?これは鑑定した結果を詳しく表記しただけで鑑定はしていないってことなのかな?…とりあえず、保留で。えっと、もう一つのスキル【解放リリース】はどうなのかな?」


 先程表示されていた【鑑定】の説明が消え、代わりに【解放リリース】の詳細が表示される。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

スキル【解放リリース


消費MP100


使用方法

 対象の武器・防具に手のひらで触れながら【解放せよ、顕現せよリリース・コンセプション】と唱える。


説明

 武器・防具に内包されている力を解放する。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「?なにこれ??…使ってみなきゃわからないなぁ…」


 それからサクヤはしばらくの間ステータスを確認する。

 ステータスに表記されている(+5)という数値はどうやら狐人の種族特性でステータスにその数値を足した値が実際の数値になるらしい。

 つまり、力が5でプラス値が5なので実際の数値は10ということだ。

 他にもレベルは魔物と呼ばれる身体の殆どが魔力でできた生物を倒すことによりレベルが上がるらしい。

 全て鑑定で出てきた情報なので実際に試してみなければ確証は得られないがとりあえずそういうことみたいだ。


「一通り確認したしどうしよっかな…」


 その時、茂みの方からガサガサと音がした。

 サクヤはビクリとその身を揺らすと恐る恐る茂みを確認する。

 そこには赤い眼がこちらを見ていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ