密室のエレベーターの中で…(200文字小説)
遅刻寸前、会社のエントランスに駆け込んだ。
締まりかけたエレベーターのボタンを押す。
「あっ!」
「おはよう」
中には以前から好意を寄せていた彼女だけ…。
やばいよ。
密室に二人っきりだ…。
突然、彼女が僕に抱きついてきた。
首に手を回し唇を寄せてくる。
「ああ…」
息が出来ない…。。
心臓が止まりそうだ…。
“チン”
「間にあったね」
微笑む彼女。
「う、うん…」
僕の妄想は到着合図のチャイムとともに、あっという間に終わった。