8/15
コードネーム
「であるからして、……彼を……ラーに…」
何かが聞こえる。
「賛成の者は?」
「はいはいはーい!僕、歓迎しちゃうよ!」
「とりあえず認めとくよ」
「右に同じく」
はっきりと耳に届く。
「了解した。ここに彼を、キーラーと認めます」
「っ、何だ?!」
黒斗は叫んだ。
その瞬間、自分に向けられていた視線の鋭さに驚く。
「やぁ、お目覚めかい?」
頭上から降る声。
リーダーのものだ。
ポン、と肩をたたかれる。
「君の、キーラー承認式をしていたんだ。
ま、結局のところこんなのしなくても君はなるんだけどね。
これは通過儀礼みたいなもんだから。
とりあえず承認はされたし、君にコードネームをあたえるよ」
リーダーの話に、少しだけ状況を理解できた黒斗。
「君は、クロード。今度から、クロードと名乗ってくれよ」
優しげなリーダーの微笑みに、ほんの少しだけ安心した。
「じゃあ、自己紹介でもしてきなよ」
軽く背中を押された。