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閑話:自己紹介できなかった
「…………………………………………。」
「………………………………………………………………………。」
2人は佇んでいた。
「リルルスさん」
「言いたいことはわかる」
しょぼくれた顔のお姉さんと、無表情の少年は新しく組織入りした少年を見つめていた。
「クロードくん、だったかな」
「確かそう。ケフィアは何か言いたかったのか?」
しょぼくれ顔のお姉さんーーケフィアは、んー…と唸った。
「あの子は強そうです。ちょっと戦いたいなと思いまして。」
「ケフィアはまたそういう。本気出したアンタには勝てない。アンタのその一言で付き合って、まだ戦線復帰してないやつもいる、そういうことを軽々しくいうな。」
無表情の少年ーーリルルスはそう言った。
「第一、そういうのはリーダーにいってほしいんだが。」
「………………そうですよねぇ」
リーダーの声がかかるまで、2人は佇んでいた。