異世界編 プロローグ
本来はもう少し後に書く予定でしたが、私がどうしても書きたくなったため書いてしまいました。まだまだ未熟な私の作品ですが読んでくださってる方でちゃんとした順番で読みたいという方はこちらは読まず本編が進むのをもう少しお待ちください。
火星の国家、通称『開拓者』の首都中心に高くそびえる塔『原初の樹』。街一つが入るその巨大な塔の中層に研究室が与えられた大祐は、部下とともに今日も研究を行っていた。
前回の大会で魔王の力が覚醒して以来、日を追うごとに魔王の力が身体を侵食しているのがわかる。それを食い止め人として生きるのかあるいは受け入れ魔王として復活するのか?自分の中で答えが出ていない。
優しい人に触れると愛しく思い、守ってあげたいと思う。
傲慢な人、横暴な人を見ると感情のままに殺したくなる。
人と魔王
善意と悪意
理性と本能
大祐の中ではそれが危ういバランスで存在していた。
しかし、ついにその天秤が一方に振れてしまう日がやってきた。
「うーん…」
「どうしたんだリーダー?」
浮かない顔で唸ってる大祐に風太が尋ねた。
「なんか変だ。」
「変?」
「そう。変。」
さすがにそれだけの情報では何もわからない。
風太ことエロ太は山彦や竜也と顔を見合わせるもみんな心当たりはなかった。
ちょっとしたミスをしてしまった昨日の実験のことかと思った山彦は
「おかしなデータがあったか?どっかでミスしたかな」と尋ねると
「違う。そんなんじゃなくて空気というかなんというか…」
ますます訳が分からない。すると大祐がいきなり
「あーもーとりあえずついてこい!なんか変な感じがする場所があるから行ってみよう。」
そしてついて行った先にあるものを見た部下3人は
「これは…」「ウッソ」「マジか…」
そう呆然と声を発した。
それもそのはず、普通に生きていれば 99.99999999 %の人は“それ”に遭遇することなどないのだから。ましてや2度目となるともっと低い可能性だ。
「さすが俺様!まさかもう一度この日が来るとは」
そうそこにあるのは“異世界への扉”
『ゲート』だった。