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二つの月の神話 ――終わりを忘れた世界で――  作者: 明見朋夜


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第1話 金の月と、銀の月

世界の空には、かつて二つの月があった。




黄金に輝く月と、静かな光を放つ銀の月である。






金の月には女神エリノッティが住まい、誕生と始まりを司っていた。




黄金の波打つ髪、柔らかな微笑み。




彼女が祝福した生命は、必ず芽吹き、愛され、歌った。






一方、銀の月には男神ツェルバがいた。




終わりと死を司る神。




銀の光をまとうその姿は、常に寂しげであった。






ツェルバはエリノッティを愛していた。




だが彼の役目は、彼女が愛した生命に「終わり」を与えること。その手が触れるたび、命は静かに閉じられていく。






「あなたの手は、あまりに冷たい」






彼女の言葉が、銀の月の神を絶望の深淵へと沈めた。




神の心から流れた涙は凍りつき、地上の川を止め、




星々の輝きさえも曇らせたという。






その刃のような拒絶により、ツェルバの胸は裂かれた。




愛する者に拒まれ、己の役目を否定された神は、次第に心を病んでいった。






二つの月は空にありながら、決して交わらぬまま、静かに歪み始めていた。

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