帰ろう
海に落ちた。光が動く薄い膜。
あぁ、、、美しい
涙が流れているような気がする。塩水と混ざり合いこの素晴らしく美しい海の1部になっていく。
私の愛する人は津波にさらわれて消えた。彼女が最後に見たのはきっと恐ろしいだけの淀んだ水。痛みと苦しみだけが満ちた水。彼女を奪った醜い海が嫌いだ、、、
だけど、、、違う、、、、わかっている、、、、
だけれど、、、!!
私の青春を捧げたこの海は!彼女を飲み込んだ海は!
ここにはない!
ここで死んでも私の嫌いな海に溶け込み彼女と一緒になることはできない。
美しい海が好きだ。私の青春の海が好きだ。
海中から眺める海面が、煌めきが好きだ。好きだ。
あの醜い海が現れるまで、彼女と過ごした海辺の家で待とう。
その時が来るまで、意識を失わず、この美しい海を見つめよう