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式とその後

 


「……戻ったか」


 祭壇へ続く扉の前では、少し草臥れた父が待っていた。


「おとーさま。ご心配をお掛けいたしましたー」


「全くだ。お前はもう少し危機感を持ちなさい」


「ごめんなさーい」


 ちょっと疲れて投げやりな謝罪にも普通に対応してくれる父。眉間の皺に反して意外と良い人だよね。


「……しょうのない奴だ」

 優しく頭を撫ぜられ何かをつけられる。


「落としていたぞ」


 ティアラだ。いつの間にか公爵家の宝を落としていたらしい。胴上げされた時かな。


「探してくれたんですか?」


「当たり前だ」


 本当に解りづらいけれど、お父様なりに私を愛してくれていたのだろう。忙しい両親の気持ちはわからなかったけれど、なんだか愛情が感じられてほっこりしてしまった。


「お父様。これまで育ててくれてありがとうございました。私はアロイス様と絶対にしあわせになりますね」




「……当たり前だ」


 お父様の腕に手を添えて、開いた扉の向こうバージンロードへと歩き出す。眩い光に包まれた先には私の永遠のアイドルにてオアシス。爽やか好青年アロイス様が、純白の花婿仕様で待っている。もう彼がいるならしあわせになる他に道なんてないよね!












 その後の誓いのキスは、なんかものすご、しつ、えぐ……ええっとすごかった。お父様眉間すごかった。あ、いつの間にかアロイス様のご親族の皆様はお父様によって縁を切られてから追い出されてたよ。

 食事会では、あおいくん達が素潜りしてとった高級食材アワビをお詫びとしてたくさん持ってきてくれて、折角なんで顔合わせも兼ねて招きまして、アワビは厨房で焼いてもらってみんなで食べていたら中から孔雀の羽みたいな色の石、アバロンパールって言う宝石(?)が出てきてびっくりした。とても楽しかったよ。もちろん子供達はみんな偏見、差別なくとりあえず使用人として暮らしていけそうだった。養子の件はアロイス様に一言目で却下された。ツッコミに痺れた。






「アロイス様。愛してます!」


「僕もきっとミーシェが思ってる以上に、あなたに 救われて 幸せで 途方も無く愛してるよ」


 噛み締めるようにゆっくりと紡ぐ愛の言葉を受け取って、よし次は初夜! 名実共についに夫婦になるんだ。だんなさまって呼ぶんだーって心の中でじたばたして帰宅。なぜか自室に籠ろうとするアロイス様を引き摺り出し、この後に及んでそういうことして嫌われたくないとかのたまうアロイス様を夫婦の寝室へ連れ込んで理性の糸を引きちぎるまで大変頑張った私を誰か褒めてください。


 そんなこんなあったけど、これからもアロイス様と一緒ならきっと私は病める時も健やかなる時もずーーーっとずーーーっと幸せだよ。




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