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F・F 異世界の神になった少年の話   作者: やませさん
自分に出来ること6
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第74話 意地悪娘の葛藤




───〈城下町・表通り〉───


(アタシ、何でこんなに……)


 キャサリンは表通りを歩いていた。恥ずかしい様子……宗平そうへいに素直になれない気持ちで歩いていた。本当は、あんな意地悪に伝えるのではなく、何て言うか……ダメだ思いつかない。いざ、宗平そうへいに何か伝えようとして、アイツの顔を見たら、真っ白になってしまう。


 キャサリンはグッと拳を握り締め、気持ちを落ち着かせ、そして……。


(落ち着け私………)


───今度は、もっとマシな事、なるべく優しく接しよう……。と、息を整えて決意するキャサリン。そして……いつもの場所へ向かう。


 ★★★★★★


───〈裏路地・広地〉───


(さて、何を伝えよう……)


 かつてロペスやミラといた頃、あの頃は適当に集まってダベっていた裏路地に移動し、キャサリンは木箱にドスッと座って腕を組み、色々と考えるのである。慣れない事で思考を行き渡らせる私はアイツの良い所、アイツの良い所……。10分、20分間……色々と模索する。ロペスは復旧作業、ミラは別の用事がある為、キャサリン1人だ。いつも一緒だったから、寂しいものである。


───昨日の事。ダメだ。今日伝えた……。

  

 キャサリンは宗平そうへいの表情を思い浮かべる。優しい所……そーいえば、アイツの事、どう優しいのか分からない……。復旧作業をしている事……いや、少女を救出した事か。


 これだ、これについて考えよう……。キャサリンは、腕を組み、頭を働かせる。


───1時間……。


───2時間……。


───3時間が、経過していく。


 自分が納得するような言葉が思い付かない……。


 差し入れ……いやダメだ、それはロペスがやっている。それに私は料理が壊滅的に下手な方だ。いつもありがとう、お疲れさま……と、伝えるとの候補が思い浮かべる。けどロペスがいるし、アイツらに変に思われる。なるべく被らない事を……。


 自分の気の強さや高いプライドが邪魔してしまい、キャサリンは思わず……。


(何でアタシが、アイツの為にこんな事を考えなくちゃならないんだっ!!)


 キャサリンは、頭を抱える。バカバカしい……何かアイツ(宗平)の事を考えていたら、気持ちが灼熱するかのように腹が立って来た……。


「だあッ!!」


 思わずキャサリンはその辺のごみ箱を蹴り倒し、当たる。散らかるゴミ箱、キャサリンは荒々しく息を吐いて表情を険しくさせ、気持ちを整える。


 アイツ(宗平)が町の為、頑張っているのに、あんな接し方ではアタシが嫌な人間に見えてしまう。こうなったのも、全て。


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