第6話 希望
謁見の間にて、沈黙。色々と説明されて、うまく言葉が見つからない。アリシアは真剣な口を開き。
「今、説明した通りじゃ……」
アリシアは玉座に座って足を組み、宗平に国の状況を説明していた所だ……。男性消滅、世界滅亡の危機、モンスターの襲撃による死亡事故。そして突然、宗平がこの異世界に転移してきた事を……。
宗平はポリポリと頭を掻き。
「そんな事が……」
宗平は言葉に出来ない位、アリシアの説明に驚愕していた。するとエイダが口を開き、宗平に話しかける。
「初めは信じられなかった。オトコが消滅したこの世界に、お前がこうしてやって来た事を……」
エイダは真剣な表情を浮かべ、宗平を確認した時、絶望から解放された安堵と感動により、涙を流したモノだ。いずれ迎える人類、世界の消滅、恐怖で頭がおかしくなりそうだった……。するとリアがポロポロと涙を流し。
「エイダちゃん、普段は真面目でキリッとてるけど、あの時は、私達と泣いて抱き合ったのよね……。」
リアは涙を流し、安堵の表情を浮かべる。彼女も普段は落ち着いた性格だが、ものすごく怖かった。何より、恋も出来ず、子孫を残せず、そのまま死ぬのが怖かったのだ……。
3人は良い雰囲気を出して話し合う。
(えっ………と)
宗平は何て返したら良いか、分からない。自身がこの世界の希望のような存在と思われている為、緊張。ちなみに、責任が重い役割はかなり苦手である。そう言えば自分、基本無口でリーダー役は苦手だ。
アリシアは宗平に向いて。
「そーゆー事じゃ、そーいやお主、喋るのが下手クソじゃな……何でそんなに緊張しておるかの?」
説明が下手、優柔不断な宗平に、アリシアは何かしらの興味が生まれた。どんな仲になろうか……アリシアには親族以外の異性とはあまり話した事はなく、緊張するのはお互い様だ。
アリシアの言葉にドキドキとした鼓動を響かせる。
「えっ………俺、緊張している?ハハハ、参ったなぁ」
宗平は照れ、頭をポリポリと掻く。するとアリシアは提案する。
「ちょっと動かないでくれ……」
アリシアは玉座から立ち上がり、そして宗平の元にスタスタと歩み寄り、少し恥ずかしそうな表情で宗平をジロりと見つめ、胸をドキドキさせる。
そんなに見つめられたら恥ずかしいのだが………。
「何を?」
宗平は小さい声で問う。
「ふーむ……」
アリシアは宗平をジロジロと眺め、観察。
(近い……近い……)
宗平は緊張した様子。
「えいッ!!」
アリシアは両手を伸ばす。そして、宗平にガバッと抱きつき、ハグをする。