第60話 ある魔法使いの過去
ある女の子の過去。
年齢は12歳、眼鏡を掛け、女の子はいつも人目を反らし、城下町の小等学校に通っていた。黒い三角帽子を頭に着け、長袖の黒のワンピースを着用し、魔法使いを意識している。
(………………)
女の子には友達がいなかった。しかし、勉強はいつも優秀だ……皆が教室でわいわいガヤガヤ、よろしくやっている時、女の子は魔法の本を読んでいた……。別に、友達が欲しいなんて思わなかった……。私には、魔法の本、そして……。
───ニィヤ……。
子猫が友達だった。名前はシマ。
───へへへへ……。
教室の外、女の子が教室を出た後、少年達は子猫に目をつける。それは放課後に起こった。
───〈小等学校の裏庭〉───
「あああああッ!!痛いよーーーッ!!」
3人の男児が悲痛な叫びを響かせていた。1人目の男児の腕はチリチリと焦げ、2人目の男児の両足は氷結し、3人目の男児は意識は無い、首筋がスパッと切れ、地面に血を行き渡らせ、ピクピク。そして、男児達に面白半分で首を折れて死んだ子猫のシマとズタズタに破かれた魔法使いの本。
(…………)
眼鏡の女の子は冷酷な表情を浮かべ、左掌に炎球を出現させ、全てを奪われ、憎しみ、怒り、悲しみが1つに充満され、キラッと眼鏡のレンズを反射。女の子は魔法が使えるようになっていたらしい。
───それから、女の子は小等学校を退学になった……。ケガを負った男児達は、日常生活が送れない程の障害を負った。
★★★★★★
それから数年後、男性が消滅した後。
───〈北の森林道〉───
女の子は驚愕し、尻餅を着いた。孤独となり、生きる宛を求め、さ迷っていたのだ。
女の子の前には、金髪女性の魔法使い。地面には、炎に燃やされた10体のオオカミの死骸、3体のトロールの死骸に無数の氷結柱に刺さり、ピクピクと絶命している。
───そんな目をしたらいけません……。
金髪女性の魔法使いは、手を差し伸べる。
それから、女の子は金髪女性の魔法使いに弟子になった。魔法のイロハ、人生について、勉強など……色々な事を教えて貰い、たまに研究で暴走して、ハイテンションになっては怒られて、メチャクチャ怖かったけど……おやつに出してくれる師匠のアップルパイが、女の子は大好きだった。
「お母さん……」
親がいなかっはた女の子は、魔法使いの女性にそう呼んでみたが、少し苦笑いを浮かべていた。写真に写っている娘を眺めて……。
───〈evan.of.atelier〉───
「はぁ……」
汚いアトリエのテーブルに伏し、エヴァンは起床。昔の話……前半は嫌な夢だったが、後半は懐かしく、暖かい夢だった。あれから、王国専属の魔法使いになったんだっけ……。
カラカラ……と、床にガラス瓶が転がる……。
「長い時間、寝てしまいましたね……」
エヴァンは、ヨダレを拭く。お腹……空いた……腹の虫がグゥーッと鳴り響く……。




