第55話 遭遇
───〈城下町・中央通り〉───
「ヒマですの……ロペスは建物の復旧作業。キャサリンの方は一人になりたい、と……。ハァ………最近、皆の付き合いが悪いのは気のせいか……」
栗色のオカッパ頭のミラはプンプンとした表情で腕を組み、テクテクと足音を響かせ、城下町の中央通りを歩いていた。普段、キャサリンとロペスで町中を連れてブラブラしているが、最近は一人になる事が多いからだ。町中、モンスターの襲撃により破壊され、ボロボロとなり、ガレキ化した建物が並ぶ。行き交う市民達の表情は、モンスターに襲撃され、民家を破壊された事により、暗い。宗平の噂、アリシア陛下の嫌な噂話がヒソヒソと聞こえてくる……。
「ま、私は3人の中で一番、年が下……今は1人が気が楽ですことよ……」
ミラはブツブツと独り言を呟き、仕方ない………仕方ない………と、自分を納得させるのである……。何故なら、自分がグループの中で1番年下だから気になっていたのだ。しかし……本当はさみしい。また、いつものように3人で集まって……いつものようにバカみたいにブラブラしたいと、いつもの日常に戻りたいと願うのである。
「ニィ~~~~ッ!!」
すると、まるで暗殺者のスピードのように。人間離れした身体能力はまるで別の生き物のようだ。で建物の屋上から屋上へ跳び移り、超人のように移動する一人の少女がいた。少女は辺りを眺め、見た事がない景色に新鮮な気持ちになり、キラキラとした瞳と心を輝かせている。
「ニィ~~~ッ!!」
建物の上からキラッと光り、活発な叫び声を響かせる。そして地上にいるおかっぱ頭の女の子に狙いを定めるように、クルクルと空中で身体を回転させ、跳び降りる。
「誰ですの?」
ミラは声の方向を見上げる。すると……。
────ッ!!
ミラの前、何かがドシッと地面に衝撃を響かせ、飛び降りて来た。うつ向いている女の子はゆっくりと顔を上げ、ミラに視線を向ける。
「ななななな……」
ミラは飛び降りて来た女の子の姿にビックリし、言葉を失う……。
「ニィ~~~ッ!!」
ミラの前、ムクッと立ち上がり、現れたのはニィー。服装はラフ、袖無しの革ジャケットを上着にし、下はホットパンツで裸足。足元の地面には衝撃跡が残り、ビキッと割れている。ミラは驚く様子を浮かべ。
「何ですのアナタは?」
まず、ミラは尋ねる。見た目は色黒の女の子、容姿や年齢は私と一緒、こんな娘、町にいたかしら……。と、考えてしまう。しかし、見に覚えがないミラである。




