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F・F 異世界の神になった少年の話   作者: やませさん
自分に出来ること2
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第48話 evan.of.atelier(エヴァンのアトリエ)





────〈王宮地下階段〉───


 ゴツゴツとした岩レンガ、艶やかに湿った地下階段をコツコツと足音を響かせて下り、案内された部屋は地下実験室。トカゲ、ゴキブリ、ネズミなどの虫が階段中に行き渡り、壁にクモの巣が張り付いている……。はっきり言って汚いし、衛生面は最悪だ。この階段にずっといたら何かしらの病気になりそうだ。


――――〈evan.of.atelierエヴァンのアトリエ〉――――


 ジメジメとした岩レンガの壁と床、紫炎のランタンが天井に付けられ、カチャカチャと揺れている。ホコリが積もり、多くの魔導書が収納された本棚。得体の知らない実験用の生物が培養されたガラスボックスの棚。何の薬か分からない薬用瓶が陳列された棚が1台、錆びた冷蔵庫。そして奥には菜園室と記された別室があり、実験に使用する魔導植物を育てている。


 その空間に、エヴァンは水を得た魚のように、ピチピチと跳ね上がるように元気になる。


「うーんやはり外の空気より、部屋の空気に限る……ようこそ、エヴァンのアトリエへ」


 エヴァンは深々とお辞儀し、ペコペコと挨拶する。


(何か………凄い所に連れて来られたな……)


 宗平そうへいはキョロキョロと辺りを眺める。こんな場所、アニメや漫画、映画でしか見た事が無いからだ……。

 

「ニィー……」


 ニィーも興味深く、瞳をキラキラさせて部屋の光景をジロジロと眺めていた。ニィーは宗平そうへいに大変懐いてしまい、こうして付いてきたのだ……。


「アハハハハ………この匂い、このジメジメした空気、そして汚い部屋……いやはや、懐かしい懐かしい……へへへへ……」


 エヴァンは変な笑い声を響かせ、実験、実験、開発……変態気質なエヴァンにとって、水を得た魚状態である。


「はぁ……」


 宗平そうへいはため息を吐き、面倒臭い様子を浮かべる。するとエヴァンは宗平そうへいの姿勢にムスッとなり、じぃ~~~と視線を向ける。


「何ですかその声?もしかして、私をアップルパイ、アップルパイと連発し、時にオッパイと意味不明なセリフを吐く変態女だと思っていますか?」


 エヴァンはムスッと尋ね、自身は変態気質な性格だと自覚しているらしい……。


「いや、そんな事は……」


 宗平そうへいは頭をポリポリと掻き、何とか誤魔化そうとする。まぁ、それは本当の事なんだけど……それは言えない。


「失礼なッ!!アナタ達を案内したのは、この私の魔法を見せてあげる為ですッ!!」


 聞いていないし、すぐにバレた……。エヴァンは勝手に怒りの声を張り上げ、魔導大釜にドンッと注目をアピールしている。


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