第5話 アリシア・ルイゼ・アルタニア
「えっ…あの、これが女王陛下?」
宗平は、女王陛下の姿を見た途端、どこから見ても年下の女の子、宗平から見れば、中学3年生の女の子みたいだ……。
女王陛下のイメージは、自身より年上だと……失礼だとは思うが、もっとオバサンと思っていた。
「ひえっ……」
女王陛下は、ピクッと泣きべその表情を浮かべる。
「おいっ宗平ッ!!女王陛下に向かって、コレとは何だッ!!、コレとはッ!!。女王陛下は決して、チビでタヌキ目でペッタンコ、ましてマスコットでは無いッ!!貴様は、貴族はっ!!」
エイダは激昂。宗平の胸ぐらを掴み、グラグラと揺らしている。
陛下に対しては絶対的に失礼なく、礼儀正しくしなければならない、それに対して宗平は……。
万死に値する、今すぐにコイツを……
「いや、その……」と、宗平。
「アレか、タヌキではなく、小動物、いや、ミジンコ、微生物かっ!!」
エイダは……次々と発言。
「な、に、ぬ、ねっ……」
グサ、グサ、グサ……と、エイダのセリフが陛下に刺さる。
「あの、君が一番ヒドイ事を言っているように聞こえるんだが……」
宗平はエイダに対し、人指し指で女王陛下に差す。
「ううぅー……私、ちんちくりんで、ペッタンコでタヌキ目の女の子だと思われているのでしょうか……」
女王陛下の女の子は、エイダの言葉にグサグサと心に刺さり、ウルウルと涙。ナィーブ、色々と年頃な女の子の季節なのである。特に、胸の事、身長の事、女性とての自信をかなり気にし、エイダとリアは……。
「エイダちゃん……」
リアは瞳を光らせ、エイダの肩を掴む。
「はっ……」
やってしまった……。エイダの背後、黒い威圧を漂わせたリアに肩をガシッと掴まれる……。
───しばらくお待ちください……。
「ふぅーーッ!!ふぅーーッ!!ふぅーーッ!!」
エイダは、全身をしめ縄でグルグル巻きに拘束され、口には猿ぐつわを固定され、床にジタバタと跳ねている。
「改めて、ソナタがアレかオトコの……名前は何と申す?」
女王陛下は尋ねる。
「山下宗平と言います。この世界とは別の世界から、日本と言う国から来ました」
「私の名前はアリシア・ルイゼ・アルタニアじゃ。お主の生まれ、別の世界とは何か分からないが、ソナタに興味が沸いた、これからも色々と教えてくれ」
王女アリシアは、宗平にキュートに笑いかける。
「はは、よろしく……」
宗平は、赤くなり、頬をポリポリと照れる。可愛いな……そんな無邪気に見つめられるとドキドキしてしまうが、自身は決して、年下の少女にいかがわしい趣味はないが、アリシアは何と言うか、不思議な気持ちになる。