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───そして光は、闇に敗北した……。
漆黒の思念体は両腕を広げ、神々しい声を響かせ、宣告した。灰色の砂漠、灰色の空、かつて世界を築いていた文明は時代のガレキとなり、砂漠の中に埋もれている。何百、何千、何万年……。もうどれ位、奴と戦ったか忘れてしまった。それはある意味拷問、終わりなき戦いである。
(…………)
老戦士の神は重厚マントを広げ、砂漠に埋もれているガレキで身体を支え、漆黒の思念体を眺めていた。全身の鎧、重厚マントは、長い戦いにより、無数の傷跡が広がる。聖なる大剣を片手で構え、だが神はまだ、全てを諦めない。
しかし、漆黒の思念体は告げる。
───愚かな神よ。もはや諦めよ……そうすれば、全ては闇に始まり、光が生まれ、こうして世界が生まれ、そして命が生まれる……。それがこの世の理である。
漆黒の思念体は、世界そのものを包み込むような神々しい威圧感を展開し、声を響かせる。しかし老戦士の神は諦めない。自身の目的達成まで抗うのである。
───我はまだ、だ……。
老戦士の神はガレキを離れ、聖なる大剣を両手で構える。長き戦いにより、全身はボロボロになる……。神の目的、それは全ての闇である漆黒の思念体に勝利し、争い無き世界を創り治す。
フム……。と、漆黒の思念体は老戦士の神を眺める。さらに老戦士の神は漆黒の思念体に対し、聖なる大剣を構える。
「まだだ、勝負はまだ、分からない………」
老戦士の神は聖なる大剣を片手で振るい、1体、2体、3体、4体、5体、6体……と、人影を作り、ニヤリと不敵に笑う。しかし漆黒の思念体は老戦士の神の発言に、嘲笑するのである………。
───愚かな………。貴様は敗北し、そしてその身を我に任せるがいい……。そして最後には、必ずやここにたどり着くのだから……。
漆黒の思念体は宣告。そして空全体から砂漠全体………この空間に漆黒の闇を造り、世界を染めるのである……。
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───〈王宮休憩室〉───
「今のは……」
宗平は、解放されるように………寝ているソファから目を覚ました。自分は確か、大浴場の湯熱でクラクラになり倒れてしまった……。しかし、今の夢は一体、何だろう。巨大な闇に神様が立ち向かっていた……。前にも見たが、今の自分には全く意味が理解出来ない。
疲れているかも知れない………この世界に来て色々とあったのだからそれにより変な夢が出てきてしまったのだろう。今は夢の事より、今は目の前にある現実に立ち向かうだけである。




