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F・F 異世界の神になった少年の話   作者: やませさん
自分に出来ること
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第43話 宗平(そうへい)復旧作業を手伝う





 プリシアさんに話したら色々とスッキリした。作ってくれたアップルパイ、とても美味しかった……素朴な味で何処か懐かしい。今、何をすべきなのか分かった気がする。


───〈城下町・北通り〉───


 林道を抜け、宗平そうへいとエヴァンは城下町の北通りを歩いていた。時刻は午後4時、夕方になる手前の時間帯であり、人通りは少ない。モンスターにより破壊された屋根は地面に落ち、ガレキの廃墟と化した民家。夕陽の光がガレキと化した民家を照らし、自分自身が引き起こした事態を虚しく痛覚させる……。


「君はこれからどうするんだ?」


 宗平そうへいはエヴァンに尋ねる。


「とりあえず、城に向かいます……。世界の状況を報告を兼ねて……あっ、師匠に報告を忘れてたッ!!」


 エヴァンはうっかり……。頭の中、師匠のアップルパイで忘れていた。報告は、また今度で……。と、エヴァンは予定を作るのである。


 ねぇ………あの人……。


 一方、辺りの市民達は宗平そうへい見て陰口をヒソヒソとしていた。そして建物の中に避難するのである。


「……相当な嫌われようですね」


 エヴァンは言う。


「まぁ、仕方がないよ……」


 するとエヴァンはさらに質問をする。


宗平そうへいさんはアレですか?あーゆーの見たら逆に押し入って色々したくなる質ですか?」


「しません……」


 エヴァンの奇抜なセリフに対し、宗平そうへいは一言で答える。2人は何気ない会話をしながら歩いていた。最初に会った時、エヴァンは変な奴だったが、話してみれば楽しい仲間、少し癖が強いのがたまに傷だが……。


───〈城下町・中央広場〉───


「ちょっとアンタ……」


 宗平そうへいとエヴァンの前には紫髪の女性が駆け寄る。袖無しのシャツ、下は作業ズボンに作業ブーツ。彼女は城下町で唯一の建築作業員である。その女性を見て宗平そうへいは思い浮かべる。

 

「あれ、君は……キャサリンと一緒にいた……」


 宗平そうへいは思い出そうとする……。あの嫌な女のキャサリンか……忘れはしない。何故なら人間、嫌な思い出は忘れないように出来ているからだ。時に自分、楽しかった思い出は忘れたけど嫌な思い出はかなり覚えてしまっている。

 

「ロペスよ……。アンタに少し手伝って欲しい事があるんだけどさ?……」


 女性、ロペスは言う。


「手伝って欲しい事?」


 宗平そうへいは尋ねる。


「アタシ、建物の復旧作業をしているから、それをさ……」


 ロペスはさっぱりした言葉で依頼してくる。城下町はモンスターにより破壊された為、復旧作業の最中である。しかし、城下町には女性しかおらず、人手不足の為、思うように作業が進まない。


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