第42話 城下町に帰る宗平(そうへい)とエヴァン
───プリシアの家の玄関前。
宗平とエヴァンは城下町に戻る事にする。プリシアが料理したアップルパイは、家庭的で素朴で、どこか懐かしい味。家庭の味は、大切な(何か)を教えてくれる魔法の味であり、帰って来たらまた食べたくなる味であり、エヴァンが大好物になるのは分かる気がした……。ここに来る前、どうすれば、どうしたい……色んな気持ちが混濁させていたが……しかし、プリシアさんのおかげで……スッキリした。
これからは頑張ろう………またイチから出直し、信頼性を積み重ねていく。と、そう決意を込めて………。
「色々と相談に乗ってくれて、ありがとうございました。作ってくれたアップルパイ、とても美味しかったです」
宗平はプリシアにペコリと頭を下げる。プリシアさんには感謝しかない。もし彼女と出会わなければ、どうなっていたか……。
「そんな、こちらこそ……。私、説教みたいな事を言って、何てお詫びしたら……」
プリシアは申し訳なさそうな様子を浮かべる。年を取れば、若い者へのアドバイスが説教くさくなる……。理想は迷える子羊を導かせる女神のようになりたい。
プリシアは思う。最初に来た頃より、顔付きが違う………。
「おや、久しぶりですね、エリザベスっ。シャーロット、元気にしていましたか?」
エヴァンは、その辺にいたヘビ、リス、様々な動物に名前を着けて尋ねている。
(………)
宗平は、エヴァンの変な趣味に困惑するのである。困惑するプリシアからはエヴァンちゃんと関わると色々疲れるけど、悪い子じゃないから……と、アドバイスされるのである。
「はい、頑張ります……」
宗平は面倒臭そうにタメ息をし、了解する。
「いつでもいらっしゃって下さいね……アップルパイを沢山用意しておきますから。悩み相談なら、また相談に乗りますからね……」
プリシアはニコッと言った。
「はい、また来ます。そして、これから頑張ります……」
宗平は意を決し、返すのである。アップルパイをたくさん用意をしてくれるなんて、また来たくなるな………エヴァンが何度でも食べたくなる理由が分かる気がしてきた。
宗平とエヴァンは手を振り、プリシアの家から立ち去り、行きの林道を進み、そして城下町に向かうのである。
(フフフフ………良い友達を持ったようね、アリシア……。私は影ながら見守っているわ……)
プリシアはクスッと笑い、城下町に帰る宗平達を、これからの世界の未来を期待する様子で眺めるのである。彼らならきっと大丈夫………プリシアはそう期待するのである。




