第4話 アルタニア王国女王陛下
謁見の間にて。
広域な室内、床には深紅の絨毯が広がり、天井には銀彩飾のシャンデリアがキシキシと金属の音を響かせている。窓壁には色彩豊かなステンドガラスが張られ、純白繊維飾のカーテンがヒラヒラとそよ風に揺られている。
(うひぁ……何て広さだ……いかにも、王様って雰囲気だな……)
宗平は、室内を新鮮な気持ちで眺める。室内の広さは、学校の体育館か……ふと思い浮かぶのは、イギリス王室の景色、漫画やアニメ映画のセットの世界だ。
みんなぁ〜〜〜こっちこっちぃ~~~。
(何だ……)
宗平は向こう側をじぃ~と眺める。室内の奥には玉座があり、その位置から元気な女性の声が聞こえてくる……。
「全く、陛下は……」
少しは王国の陛下として……エイダは溜め息。
「あらあら……」
反面、気にしない様子でクスクスと笑うリアはエイダの緊張感とは裏腹に、陛下に対しは何処か親密感があるようだ。
エイダは宗平を後ろから。
「おい、歩け………」
エイダは宗平の腰をコツンと叩き、緊張した様子で命令してくる。
(はぁ………もう少し丁寧に扱って欲しいものだね……)
宗平はそう思うが、彼女達に口に出すと怒られるので言わない言えない。
3人は陛下が着任している玉座に向かい、長い絨毯の道を歩くのである。一体、どれだけの距離なるんだろう?………1分、2分、と歩き進む宗平達。玉座までの距離は100メートル、そして……。
「陛下、例の者を連れて参りました」
玉座にて、エイダはキリッとしたお辞儀で頭を下げる。玉座のイスとの距離は数メートルの位置、距離は王族に対しての身分関係を表している。
宗平はエイダを見て思う。
(さすがのエイダもリアも緊張しているみたいだな……)
宗平はスッと胸に当て、礼儀正しくお辞儀する。相手は王国を支配している最高指導者、現実世界では総理大臣の立場であり、失礼な態度は許されないし国によっては死刑だ。さすがの自分も身分の高い人や年長に対する礼儀は心得ている。
隣のリアもしっかりと頭を下げ、深々とお辞儀をしている。
(自分も、しっかりしないと………)
宗平はエイダの姿を見た少し後、玉座に腰掛ける女性陛下を見上げるのである。
「うむ、ご苦労であった2人共……お主がアレか?例のオトコか?」
玉座に座っているのは金髪ツインテール、クリクリな青瞳の女の子。袖無しの白シャツを着用して下は大きいサイズのホットパンツを履き、靴は革のブーツ。
年齢は、エイダやリアとは違い、年下の15歳である。外見は、まるで外国製の人形みたいだ。