───少年の理想の日常
───〈少年の部屋〉───
「お兄ちゃん、お兄ちゃん朝だよ、起きてーーッ!!」
「ううっ……」
朝から活発な声が響き、ベッドで寝ている少年は、もう少し寝かしてくれ……と、面倒臭そうに布団をバリアーを張るように被る。しかし、そのバリアーを前にしても、活発な声の前では………。
「フフフ、こうなったら奥の手、この世界一可愛い妹君が……」
少年の布団の中にモゾモゾと入り、一緒に添い寝をするのは少年の妹の新。茶髪のツインテール、つぶらな瞳の女子中学生。控えめな胸、ヒラヒラしたセーラー服の下にはヘソがチラリ、短いスカートを着用し、白のニーソックス。まだ眠たい状態の目頭をゴシゴシと拭い、少年はため息混じりな面倒臭そうな声を出し。
「何やってるだよ、お前は?」
仕方ない、起きよう……。と、諦めたかのように布団を払い出し、少年は面倒臭そうに尋ねる。すると新はイタズラっ気のある笑みを浮かべながら少年を見下ろして口を開く。
「フフフ、この可愛い妹と添い寝なんて、中々の幸せもんじゃぞ……どう、興奮した、興奮した?」
新はキラキラと上目遣い、そして四つん這いの体勢を変更し、キュートに見つめてくる。しかし少年はいつものようなノリで。
「するわけ無いだろ、何を考えてるんだアホ」
少年は、全くコイツは……と、妹の新の頭に軽くチョップする。
「イタ~~~イ、お兄ちゃんのいじわるぅ~~~」
チョップされた頭を押さえ、新はウルッと見つめる。少し新の発言に少しイラっとした様子で少年は口を開く。
「そんなのいいから……。お前もいい加減、毎回毎回俺を起こしにくるのはな……」
少年の発言に、新は。
「しゅ~~~ん……お兄ちゃん、新の事、嫌い?」
新は、シュンと反らし、体育座りで拗ねる。 朝に弱くて普段は頼りないが、いざと言う時には便りになる兄を、自称せかいいちキュートな妹が起こしに行くのは特権であり、欠かせない日課であるからだ。すると少年は申し訳ない様子で。
「いや、冗談だ。ゴメンゴメン、そう拗ねるなって」
少年は新の頭をスリスリと撫でる。まるで怒った猫の頭をスリスリと撫でるように。少年の発言に新は。
「ニシシシ………お兄ちゃん大好きぃ~~~」
新は水を得た花のように元気になり、少年に抱きつく。
2人共、朝ごはん冷めるわよ───ッ!!
下から母親の呼び声。
「わかった、今いく……。俺は着替えてから行くから、先に行っててくれ」
少年は言った。
「わかったお兄ちゃん」
新は、部屋を退室した。




