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F・F 異世界の神になった少年の話   作者: やませさん
世界の状況
28/153

第21話 宗平(そうへい)イモムシにビビる




───〈西の森林街道〉───


 エイダとリア、アリシアと宗平そうへいは夜の街道を歩いていた。街道には外灯がポツポツと照らし、夜風が吹き、巨人のように、パキパキと小刻みに揺られる木々、不気味な静けさが漂う。


(………)


 宗平そうへいは、キョロキョロと、無言で辺りを眺める。何で言ってしまったのだろう……けど、ここで行かなければ何も変わらない自分に戻ってしまう。と、葛藤し、正直、恐怖で心が畏縮している。


 どうする、どうする……。


「何じゃ怖いのか?なら、今すぐ引き返すか?」


 アリシアは言う。


「大丈夫、俺が決めた事だから……」


 宗平そうへいは無茶なスマイルで応える。しかし、正直に説明すると、かなり怖い……。心が震え、逃げ出したい気持ちである。だが、昔の自分を超える為、この世界にて……。


 すると……。


「待て」


 エイダは炎属性のロングソードを片手で構え、臨戦体勢。全身、炎属性の威圧感を漂わせ、辺りを眺める……。エイダのピリッとした言葉に、皆は立ち止まる。


 バキバキと乾いた音を響かせ、1本、2本、3本と、次々と森林の大木が倒れ、砂煙がズシンと広がる……。


(………)


 バキバキと大木が倒壊していく轟音に宗平そうへいは、後退る。全身が逆立つような緊迫した空気、宗平そうへいの鼓動がバクバクと高鳴る……。


 夜闇により、見えない轟音、チリチリした砂煙、そして……。


───クルルル……パキュパキュ……。


 街道からヌメヌメと現れたのは、3メートルのネバネバした緑のイモムシ。不気味に照らした色彩な鱗、グロテスクな無数の牙を生やした口、大木をバキバキと食べている。


「ひっ……」


 宗平そうへいはビビる。何だあのイモムシは……現実世界で見たイモムシより、めちゃくちゃデカイ。

 特にあの無数の牙、色彩な鱗は生理的に受け付けない……。


 街道の中、炎の斬音が響き、ピカッと一瞬で光り、消える……。


「今の光は?」と、宗平そうへい


「ざっと、こんなものか……」


 エイダは、炎属性のロングソードをスッと払い、イモムシを片付けていた。今の赤い光は、エイダの一撃により、発生した光である。


───先ほどのイモムシは、首が斬り跳ばされ、肉体がピクピクと震え、紫の血が地面に広がる。


「うっ……」


 宗平そうへいは倒したイモムシの臭いが鼻を突き、吐き気、思わず口を塞ぐのである。


「おやおや……」


 エイダは、炎属性のロングソードを構え、辺りを眺める。


───1体、2体、3体、4体、5体、6体……いや、もっといる。沢山のでかいイモムシ達が皆の前に出没し、色彩な鱗を照らし、無数の牙をリズミカルにパキュパキュとさせる。


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