第1話 目が覚めたら牢屋
───〈謎の地下牢〉───
「あれ、ここは……どこだ?」
宗平は起き上がり、辺りを眺めて周辺を確かめる。ゴツゴツとした性質、ひんやりと冷たい岩壁、ポツンとした窓が存在。ホコリが充満し、スキマ風により、部屋全体に空気が行き渡る音が、女性の叫び声のように響き渡る。
鉄格子に閉じ込められ、向こう側にはパキパキと燃え盛る松明が灯された階段が伸び、先が分からない。
まず、意識はある………見たことろ自分の部屋ではないし、夢の中ではない。まず、ここはどこだ?………確か自分は、車に轢かれて死ん………。
まるで空から降り注ぐ雷のように。
「うっ……」
宗平は、現実で起こった事を思い出そうとするが、バチッと電流のような頭痛が行き渡る。
記憶が赤く閃光し、ぼんやりと……景色が広がる。
漆黒のように暗く………言い例えるなら腐ったゴミのような世界………生まれてこなければ……環境が違ったら……と、皆はそう後悔するだろう……。
───思い出したくはない忌まわしい過去、黒塗りの居間の光景。バチッバチッ、と……父親による家庭内暴力、母親の自殺。そしてその父親を殺害し、そして自分自身は事故で……。
思い出の絵図がグツグツと激流し、どうしようもないストレスが沸騰してくる。
「ああっ……ぐっ……」
最悪なトラウマな過去を思い出し、目玉が飛び出しそうな苦悶の表情を浮かべ、頭を抱える宗平。吐き気、頭痛、様々な嫌な記憶が回想し、気持ちが震える……。
おいおい?次は何だ……またも異様な風景が頭の中に映し出される。
黒と白の渦に吸い込まれ………。そして………光が広がる……。
灰色の廃墟、灰色の砂漠が広がり、大剣を片手で構え、強靭な体格な神官服の老騎士。そして老騎士と相対しているのは巨大な闇の異形。
それは獣のように。
闇の異形は咆哮を響かせ、影で表情を隠した老騎士は大剣を両手で構え、立ち向かうのである。
見に覚えがない風景が晴れ、少しづつ、気持ちを落ち着かせる宗平……。
今のは……。
そんな光景に、宗平は、不思議な感覚。夢の光景には全く見覚えは無いが、余りにも生々しい光景だった。
───すると、ガラッと鉄格子の扉を開く音。
コツ……コツ……コツ……と、沈黙した空気の中を突き刺すように足音が響き渡り、そして……牢屋の前に立ち止まる……。
「目が覚めたか……」
牢屋の外から声が聞こえた。
何だ、何だ……そういえば、ここは留置場だった。警察官か、俺は警察官に保護されたのか?……。
(誰だ?……)
宗平は、声の方向に視線を向ける。