―――――F・F 異世界の神になった少年の話
―――――宗平ッ!!宗平ッ!!
「うっ……」
やかましい声に、宗平は目を覚ます。
アレ……何で俺はここに……。状況は、王座の玉座に座り、呑気に居眠りしていた。
「全く、呑気に居眠りとは、先が思いやられるな」
キラッと輝かせ、王妃のドレスを着用したアリシアはムスッと頭を抱える。
「アレ……俺は……」
宗平は辺りを眺める。
衣装は、純銀製が装飾された深紅の王族服を着用し、厚手のマントを着用していた。
謁見の間にいるのは、アリシア、エイダ、リア、エヴァン、ニィー、そして、リアーネがいた。
「これから、戴冠式だって言うのに……貴様は……」
近衛騎士のエイダはピリッと腕を組む。
――――――宗平は辺りを眺め、沈黙。
「陛下らしく、しっかりしてください……」
近衛騎士のリアは注意。
「おにーちゃん、居眠り、ダメ」
指をビシッ……と、ニィーに注意される。
「まさか、緊張のあまり、居眠り……宗平陛下は、寝込みを攻められるのが好きなんですか?」
エヴァンはニシシと尋ねる。
「いやいや、違うから……。そうか、俺は……」
否定してから、宗平は察した。
悪い夢でも見ていたような感覚だった……どんな状況だったか、覚えてはいない。
そうだ、俺は国や世界を立て直す為、国王陛下になると、決意したんだ。ソウヘイ・ルイゼ・アルタリアと、公開襲名するつもりだ。
「皆様、そろそろ戴冠式が……」
万能メイドのリアーネは告げる。
そうだな……と、アリシア達は急ごうとする。
―――――宗平は、言葉では表現出来ない感覚が思い浮かび、通過した……。
何故だ、壮絶な事を経験した気がするが、思い出せない。
誰かが、自分の所に駆けつけ、そしてまた会えるから……と、別れ、帰って来た感覚だ。
「待ってくれ……」
宗平は、皆を引き止め、集合させた。
――――――何だろう……。
皆を宗平の前に集合した。
もう少しで戴冠式が始まるし、観衆を待たせる訳にはいかない……。それに、今日は戴冠式と感謝祭を合同に、未来への祈りを込めた歴史的な日である。
――――――ッ!!
宗平は涙を流し、アリシア、エイダ、リア、エヴァン、ニィー、リアーネ全員に抱きついた。
どんな状況だったか、全く覚えてはいないが、本能的にこうしたいのだ。
辛かった、悲しかった……怖かった……現実世界、そしてこの世界で過ごした経験が、様々な意思が涙となり、思いきり泣いた。
――――――おかえり……。
皆は、そう言った気がした。
「さぁ、行こうッ!!国と世界の未来へッ!!」
ソウヘイは、ビシッと号令。
――――――そして……未来へ……皆は戴冠式、城下町の中央広場に向かうのだった……。
広場中は、大歓声……。宗平の不器用なスピーチに、皆はクスクスと笑い、ある女性から野次られ、観衆は期待と希望を漂わせ、これから、どんな世界になるか、それは分からない……。
ここから……始まるんだ……自分達、世界の全てを立て直す為、ここから皆は歩み出す。
―――――神の(答え)はこうだ……。
神は、終わりの世界を再構築した。
次に神は、宗平を召喚し、終わりと始まりの世界を立て直す為、アルタリア王国陛下として、元の世界に戻した。
final、fastから頭文字を取り……。
――――――F・F、終わりと始まりの世界。それが、新世界の名前である。




