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F・F 異世界の神になった少年の話   作者: やませさん
慣れて来た日常
148/153

―――――神の記憶


―――――異世界を滅ぼし、現実世界にて凄まじい人生、痛み学んだ……そして転生し、滅びゆく異世界にて……顔を思い出せない彼らと過ごし、成長を学んだ……。


 異世界の神はアレックスに、アレックスは現実世界にて、神とての記憶を封印し、宗平そうへいとして生を受け、そして死亡し、宗平そうへいとして、この世界に帰って来た……。

 

――――――全ては……ここに辿り着く為に……最後の試練を迎える為に……。




―――――〈?????〉―――――



 灰色の景色が広がっていた。

 灰色の空、灰色の廃墟が存在し、荒廃化した砂漠が広がる。何度か、夢の中で見たあの景色である。


「そうか、ワシは……」


 宗平そうへい改め、神は自身を眺める。

 正体は、老戦士の神、神官ローブを着用し、厚手のマント。

 武器は大剣を装備、まさか……俺が……。



―――――また、舞い戻って来るとはな……。



 黒い粒子が結集し、巨大な異形に具現化し、出現したのは漆黒の思念体。

 奴は、かつて宗平そうへいとして異世界で存在し、夢の中で現れた異形体であり、世界を漆黒の闇に染め、神を呑み込んだ……。


「そうか、貴様は……」


 老戦士の神は察し、大剣を構える。

 漆黒の思念体の正体、それは神が滅亡させた男性の魂であり、魂は邪悪、神に対して憎しみ、怒り、悲しみが宿っている。



―――――そうだ、貴様に滅ぼされた全ての憎しみだ……この私を浄化しない限り、世界を創り直す事は叶わぬ……。



 漆黒の思念体は両爪をパキパキと鳴らし、ズシッ……と、低い声を響かせる。


(………)


 老戦士の神は、思い浮かべる。

 金髪の少女……赤髪の女性……青髪の女性……黒髪の眼鏡の女性……そして、茶髪の少女……あの世界にて、面白くも厳しく、自分に色々と経験した思い出が……回想される。

 思い出さなくては……忘れてはならない、彼女達の事を……。



―――――宗平そうへいッ!!



―――――おい、宗平そうへいッ!!



―――――宗平そうへいさんッ!!



―――――しっかりして下さい、宗平そうへいさんッ!!



―――――おにーちゃんッ!!



(アリ……イダ……ア……ヴァン……ニィ……)


 老戦士の神は……彼女達の声を思い浮かべる。



 金髪の少女。

 一生懸命な性格で、たまに落ち込んで……それでも立ち上がって、懸命に前に進む強い女の子であった。


 赤髪の女性。

 性格はアレだが、仲間思いであり、よく背中を押してくれた……。最初、会った頃はビックリしたけど、良い思い出だ。


 青髪の女性。

 赤髪の女性と同じく性格はアレだが、それと同じく、仲間思いで、誤った道を進まずに済んだ……。

 よく、赤髪の女性を……思い出したらちょっと……。


 黒髪、眼鏡の女の子。

 知識が豊富なのか、ちょっぴり……変わってはいたが、一緒にいて楽しかった……。

 色々と相談に付き合ってもらい、ありがとう。


 茶髪の女の子……。

 自分の妹のようで、よく引っ付いて来て、知識の学習能力が良く、驚いたし、友達も出来て嬉しかった。

 将来が、楽しみだ……。



―――――それだけではない……あの世界、あの町で生きる全ての人達の……。

 あの世界で共に過ごしてきた彼女達、厳しくも優しく、色々あったが……俺は……。


―――――どうした……神よ?


 漆黒の思念体は、尋ねる。

 全てを包み込み、支配しるような威圧感を漂わせ……。



――――――そうだ……思い出したよ、あの世界で、みんなと出会い、歩み、そしてこれからの……。



「アリシアッ!!エイダッ!!リアッ!!エヴァンッ!!ニィーッ!!」


 老戦士の神は、彼女達を思い出した……。

 大剣を構え、叫ぶ。

 そして……5体の光が出現し、人形を具現化させる……。

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