第112話 告白する……
―――――そんな事が……。
アリシア、エイダ、リア、エヴァン、ニィーは宗平の説明に言葉を失う……。
説明の内容、王国が引き起こした処刑劇、リアーネの人生、アレックスの事や男性消滅現象の真実。
「……リアーネを、許してあげてはくれないか……」
宗平は言った。
確かに、彼女のした事は許される事ではないけど、魔法の書物に憎しみを付け入れて……ダメだ、その先の説明が思い浮かばない……。
「私は……リアーネを許したい……私は当時、子供で知らなかったが、彼女の過去の中で、王国がこれまで引き起こした事は許される事ではないし、彼女から憎まれてもおかしくない……もし、私がリアーネの立場なら、同じ事をしていたからじゃ……」
アリシアは大人な姿勢で主張。
「陛下……」と、エイダ。
「アリシアちゃん……」と、リア。
2人は、黙って納得する……ひと昔のアリシアなら、一方的な憎しみに任せ、殴り殺していただろう。
アリシアも成長していた……宗平と関わって無かったあの頃とは全然、違う……。
「あのさ……皆に話しておきたい事があるんだ……」
宗平は言った。
「何じゃ改まって?」と、アリシア。
「俺、この国の王様になりたい……もう、彼女のような憎しみ、悲しみ、怒りの被害者を生み出さない為、繰り返さない為、俺はこの国、世界を立て直していきたい……」
宗平は、決意の発言。
「宗平……」
アリシアは感極まる。
「よく言ったわ、宗平さん……」
クスッとなるリア、パチパチと手を叩く。
「すっかり……男だな……いや、これから……」
エイダは嬉しい表情。
「みんな……力を貸してくれ。この国や世界を立て直していく為、みんなを頼りにして……」
「その発言、撤回は無しじゃぞ……王様になったら、私は王妃として、お主に色々と叩き込んでやるから覚悟しておけ……」
宗平の発言の途中、アリシアは企みなセリフ。
「やっぱり……」と、宗平は拒否しそうな様子。
「ダメッ!!」
「ダメですッ!!」
「逃げられませんよ、宗平さんッ!!」
「ニィーッ!!」
宗平の否定発言に、エイダとリア、エヴァン、ニィーは断固反対。
もう、宗平は戻れない……こうして、陛下への道が強制的に、そして朝日が登り始める……。




