第11話 布団の中にアリシア
「何だ?」
宗平は思わず声を出す。ベッドの中のモゾモゾした異変に察知し、恐る恐る視線を向ける。
「どうかしたのかしら?」
リアは尋ねてくる。
「いや、布団から声が……」
宗平はゴクッと息を飲み、何があるのだろうか……と、緊張感を漂わせ、ベッドの布団を御開帳と言わんばかりにバサッと持ち上げる。
………??
「うーん……」
布団の中には、すやすやとアリシアがグッスリと寝息を吐き、就寝していた。その光景に思わず。
「えっアリシア?」
どうゆうことだ……と、宗平は、ビックリ。
「あらあら……」
リアは少し呑気な様子で驚愕していた。
「陛下ッ!!」
使用人達は思わず手を止め、一斉に声を上げる。
「うーん……」
アリシアはくしゅくしゅと髪を掻き、寝ぼける。
「ななななな……」
何でアリシア……宗平は言葉では表せない気持ちになり、プルプル。
「うむ、おはよう諸君……」
皆の驚愕した声に、アリシアはベッドからムクッと起き上がり、瞳をゴシゴシとこする……。衣装はカーテンのように、透き通ったネグリジェを着用し、だらしがなく、肩ヒモが乱れている。
───………。
1秒、2秒、3秒……皆は沈黙してしまう。何故なら、陛下が近くにいる事に理解が出来ないから。陛下ならまず、私室にて就寝しているハズである……。
「何で君が俺の布団の中に?」
宗平は尋ねる。まず自身の寝室に女性がいる事は初めてであり、まず、結婚して夫婦になってからだと……。しかし、アリシアは気にする様子を見せず。
「何でも良いじゃろ?女性なら誰しも男が寝ている布団の中に、もぞもぞと入りたくなるもんじゃろ?それにお主、こんな美女と添い寝が出来るなんて、幸せ者じゃぞ……」
と、説明するアリシアはニシシと笑い浮かべ、イタズラっぽくからかい始める。アリシアの言葉に宗平は落ち着いた姿勢で。
「あまり年上をからかうもんじゃ……」
しかし気持ちでは宗平はドキッと胸が高まり、恥ずかしそうな表情を浮かべて困惑してしまう。宗平は18歳、アリシアは15歳。年下に誘惑されたら、少し変な気持ちになる。こうゆう事は、まずはお互い知ってそれから恋人になり、その後結婚してからが先に……。
そんな宗平にアリシアは。
「何じゃ?お主もウブじゃな……なら、今からここで私と……」
宗平とは裏腹にアリシアは誘惑し、ネグリジェの肩ヒモをスッと引っ張り、脱ごうとする。
「えええっ……」
宗平はさらに困惑。自身はこう見えても真面目な性格な為、アリシアのこんなノリは苦手である。




