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F・F 異世界の神になった少年の話   作者: やませさん
慣れて来た日常
114/153

第93話 異教徒の声



―――――〈墓地神殿・地下通路〉――――



「まったく、あの魔法使い、とんでもない場所に飛ばしよって……」


 アリシアは松明を持ち、通路を眺め、歩いていた。

 エイダ、リア、エヴァンとニィーを捜索し、合流したい。

 通路の地面には小水路が行き渡り、ドブ水が流れ、通路の壁には棺桶棚があり、古い棺桶が安直されている。


「うっ……」


 突然の頭痛が発生し、アリシアは頭を抱え、壁にモタれる……。

 思い浮かぶのは、過去に目撃した処刑の光景、あの日から、何人も何人も……断頭台ギロチンに固定され、首が飛んだ……最初は血の気が引いたが……隣の兄上達が真面目に眺めていた事もあり、そして慣れてしまった自分がいた……。



―――――アリシアの周囲には異教徒達の幻影が出現し、眺めていた……。

 アリシアには見えていない、彼女のトラウマが描いた姿である。


「私は……私は……」


 アリシアの額には冷や汗が流れる。

 過去のトラウマと向き合い、壁にモタれながら歩き進む。



―――――世界……から……。



 アリシアの頭の中に異教徒の言葉が流れる。

 地下墓所カタコンベに漂うスピリットの能力により、心に入り込み、幻覚を見せられている。


「黙れッ!!」


 アリシアは怖がり、声を響かせる。

 ドクッ……と、幼少に見た処刑。

 ヤバイ思想を掲げ、王国兵や観衆達により、生き埋めされる異教徒の光景が浮かぶ……。



―――――男性……は消滅……世界……。



 異教徒の幻影達は、アリシアの頭の中に言葉を響きかせる。


「お主らの言葉通りにはならんッ!!今は、宗平そうへいがおるッ!!世界は、これから立て直すのじゃッ!!」


 アリシアは異教徒の言葉に激昂し、進むのである。



――――――さらに、処刑により、観衆達による雄叫び、ドクドクと、地面に行き渡る血……。

 トラウマにより、反発によるストレス……全身からは汗が染み渡る……。



―――――消滅する……世界は全て……神により……



 異教徒の声。

 アリシアの心の中に……生き残った異教徒達、代表に宗平そうへいが祈りを捧げ、世界の消滅した……。


 次、廃墟が広がった灰色の幻想景色を、アリシアの心の中に入れ、映し出すのである。

 灰色の景色の中、取り残されたアリシア……。


「嘘じゃ……」


 アリシアは、ドキッと言葉を失う。



―――――これが、真実……受け入れよ、そなたの思い人は、我らの……。



―――――宗平そうへいが、世界を……。


 異教徒の言葉に、アリシアは気持ちが落ち込み、ドサッ……と、座り込む。

 この先、私は消滅した世界で……。



―――――そうだ……

  自身の心に身を任せよ……。

 運命からは、逃れられない……消滅に任せよ……。

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