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F・F 異世界の神になった少年の話   作者: やませさん
はじまり
1/153

プロローグ





───その日の夕方………しとしとと降り注ぐ雨の中、1人の少年が死んだ。



 少年の名前は、山下宗平やましたそうへい。黒髪、亡き母譲りの優な瞳。体格は中肉中背の身長の175センチ、高校3年生の男だ。普通車に轢かれ、ズタズタに破れた衣類、全身の骨は複雑に破壊され、痛みすら感覚は無い。うつ伏せに倒れ伏し、地面に降り注ぐ雨水は少年の骸に広がり、瞳孔は蝋人形のように開いている……。



 遠退く意識の中……

少年は走馬灯を浮かべる。

 


───1時間前。



 家の中、雷の轟音が鳴り響き、稲妻の光が一瞬で広がる。稲妻の光にピカッと照らされ、うつ伏せに倒れているのは宗平そうへいの父親。頭部から血を流し、死んだ魚のように瞳孔が開き、ピクリとも動かない……。


 かつての父、クソ野郎の肉を見て。


「ハァ……ハァ……ハァ……」


 宗平そうへいは荒々した息を上下。恐怖と紅潮がグチャグチャに交配した感覚に支配され、右手には血の着いたガラス製の灰皿……。何故なら本来の性格ではないからであり、人を痛めつける気性はないからだ。自分で言うのもアレだけど、人見知りで不器用でそして……心やさ……



───遮断するかのように……稲妻の光は、宗平そうへいの表情をピカッと照らす。頬には返り血が広がる……。


 よくある話、宗平そうへいはこれまで父親から虐待を受けていた。暴力、暴言、モラハラ……。機嫌が悪ければ殴られ、無視をすれば暴力、暴言、モラハラ。 馬鹿みたいに酒に酔い、機嫌が良いと思えばチクリと一言、次は暴言、最後はいつも、狂ったように物に当たり、宗平そうへいに暴力だ。


 母親はどうしたかって?


───母親は……1年前、クソ野郎の家庭内暴力で気が病み、自殺した……。


 それから、月日は流れ……。


───ッ!!


 殺してしまった……。殺してしまった………との恐怖心に支配され、宗平そうへいは家を飛び出し、雨の中を走る。


 自分が住んでいる地元は田舎である為、人気無い林道が広がり、一軒家の団地が並び、バシャッバシャッと水飛沫、足音が響き渡る。


「ハァ……ハァ……ハァ……」


 坂道を登り、宗平そうへいは車道に立ち止まる。全身をプルプルと震わせ、少しづつ………少しづつ息を整え、グチャグチャとした気持ちが晴れ、自身は正気を戻していく………ゆっくりと……消炎していく炎のように……。


 これから、どうすれば……まずは警察に自首し、虐待されていたと話せば、罪は色々と……。


────ッ!!


 正気を戻した同時だった……。宗平そうへいの横、距離は数センチに普通車が接近し、轢き飛ばした……。まず、避けきれない。超人でもない限り、反応できない。


───以上がこれまでの話だ。


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