5話
溜息をものすごい吐き出しながら俺は一人高台に来ていた。
学校の近くにありここは告白すると永遠に結ばれるという言い伝えがあるほど学生は勿論OBにも人気のあるスポットのため基本的に放課後はカップルだのが何組か駄弁っている事が多いのだが今日は誰一人としていなかった。
正直生徒会長は今までの人の中で一番ではないが接しやすい人の部類に入る。だがそれ以上に自分の中で未だに踏ん切りがつかない部分がある。それが何なのか分からないがなぜか友達という部分に躊躇してしまう。
なんで俺ばかり……。
「こんな所いるなんて珍しいな」
後ろを振り向くと幼馴染が立っていた。
なぜたか久しぶりすぎるような再開に思ってしまった。
「そういやそっちの制服姿見たこと無かったけど違和感しかないな」
「俺がスカートって思ってる」
「確かに」
高校に入ってから何故か金髪に染めたりピアスを開けたり、今まで同じと思っていたのがいつの間にか遠くに行ってしまったと感じてしまう。そっちの高校にいけてたら俺も楽しいんだろうなと。
「響は最近どうなの?」
「ボチボチかな」
「それならいいんだけど」
「俺はてっきり友達もいないで寂しい思いでもしているのかと思ったよ」
「友達ぐらいいるよ」
「ほんとにか?」
「ほんとだよ」
「まぁいいや、響がいつも通りみたいで安心したよまた今度あそぼうぜ」
「お~い明石はやく~」
「わりいなもういくわ」
竜は変わった。少なくとも俺の知っていた竜じゃなくなった。
だからどうというわけじゃない。だけれど俺に女友達など男の時には殆どいなかった。
俺も変わらなきゃいけないのかな……。