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戦場の花火

 八弥と笹助は背と背を合わせた。


 徳川の兵らしき者に取り囲まれている。

 なぜか連中は物音ひとつ立てない。


 二人は手裏剣を構えた。


「やはりそうか。武田の忍びではなさそうだが」

 甲冑武者は言いながら刀を振りかぶった。


(なあ笹助、炸裂玉ないか?)

(ない・・・・・・)

(笹助成仏しろよ。あの世でまた会おうぜ)

(そうだな)


 「ドン!」三つ目の火が上がった。

 「パーン」炎が飛び散り、二人と甲冑武者を照らした。


 ん!

 八弥たちと甲冑武者の間に誰かがいる。

 僧侶のようだ。


 いつの間に。


 笹助達に背を向けている。


 炎が甲冑武者の驚きの顔を照らし出し、すぐに元の暗闇に戻った。


「馬鹿もんが!!」

 僧侶は驚くほどの大声をあげた。


「貴様、二代目の服部半蔵じゃろがい。侍をするのか忍びをするのか、どっちかにせい! この大馬鹿もんが!」

「は、拙者をご存知とは一体どなたでござるか?」

「黙れい、この鼻たれが! 貴様が聞くのは百年早い。そこをどけ、青二才!」


 恐ろしく口の悪い僧侶である。

 八弥たちは呆気にとられていた。


「おぬしら行くぞっ」

(俺たちのことか?)

 二人は僧侶の後に続いた。


「ちょっとお待ち下され」

 甲冑武者が縋るように言った。


「なんじゃあ!」

「ここは刀を納める事にいたす、手の者を下げて下さらぬか」

「うむ。物分かりが良いの。結構、結構」


 笹助が気付くと、自分たちを取り巻いていた一団の、更に周囲を僧侶の男たちが取り巻いていた。




 才可は今川居館の前で竹筒を調べていた。


「まずまずの出来だな。時間を掛ければもっとカッコいいのが打てたんだけどな」

「才可様すごいっ。今のはなんて言うんですか?」

 小春は目を輝かせて尋ねた。


「いやあ、凄いって、それほどでも無いですよ、へへ。狼煙の一種を改良したんですよ。俺は打ち上げ花火って言ってるんですけどね」

 才可は大いに照れながら説明していた。


「もっと才可様の打ち上げ花火を見てみたい!」

「え、本当に!?」

「ええ!」

「将来はこれでメシが喰えたらいいなって思ってるんですよ。へへへ」


 そこへ香鈴が戻って来た。


「才可、将来の話しは後にして。八弥と笹助が戻ったわよ!」

「え、本当に!? 小春様、ごめんなさい。ちょっと仲間のところへ行ってくる」


 城内へは次々と将兵が帰還していた。

 敵味方の損害はまだ分からない。

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