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第1話 ***
...焦げ臭い。パチパチという音もしている。
何だろうかと思い、私は飛び起きると、急いで家を出た。
里が燃えていた。私の里が。私たちの里が。
「***! 今すぐにシェルターに逃げ込め!ここは俺たちが守る!」
***に急かされ、混乱した頭で何とかシェルターへ向かう。
走っていると、***の手が飛んできた。どうやら吹き飛んでしまったようだ。
左手を避けきれず、頭を強打してしまった。
なんだか視界がぐにゃぐにゃしてきた。ぐにゃぐにゃした男たちが駆け寄ってくる。その左手に蓄力された魔法で私は殺されてしまうのだろう。
「時の転移.オールランダム」
ふと、女の子の声が聞こえた。鈴の音のような美しい声。
それは私を救う声だったのか。それとも、殺す声だったのか。
その声を境に、私の記憶は途切れた。