第2章 39話 訪れたリゾート地で待つモノは、リーダーと勇者の武器 その3
俺たちは、すぐそばにあった建物に案内された。なんだかボロく、周辺には鉄骨やら、よくわからないゴミ?のようなものが散乱していた。
サムが、そこの今にも壊れそうな扉を思いっ切り叩いた。壊れないのか?俺はそう思ったが、扉は意外と頑丈だった。
「チュニア様!入りますよ!」
サムが大声で叫び扉を開けた。
サムは勢いよく扉をくぐった。俺は後ろからこっそりついていった。
「ん? あれ?」
サムはあたりをキョロキョロした。どうしたんだろうと思って、俺はサムの後ろから顔を出し、中を見た。散らかっている...色んな武器のようなものがあちこちに...あぶねぇよ。転んだら怪我じゃすまないぞ?じゃなくて、そのチュニアとか言う人物がいない?
俺もあたりを見渡したが、誰も居ない。まさか、と思ったが、その心配はいらなかった。
「お~、サムちゃんじゃないの。なにやら大声が聞こえると思ったら、あんたかい。何の用じゃ?」
出てきたのは、ボロボロの服を着たひげが異様に長い老人だった。
いきなり後ろから声をかけられた。あ~、成程。別の場所にいただけか。だけど、ちょっとビックリした。いきなり俺の横に立ってるんだから。しかもなんか近いし...
「あ、チュニア様、ご無沙汰しております。突然の来訪で申し訳ありません。単刀直入に申し上げます。今、武器を用意できますか?」
本当に単刀直入に聞くな、話の間にクッションを入れようよ。
「武器?あ~、王のゲーム用の...そういやジョシュの奴から、サムちゃんが指名手配の奴らと行動してるって聞いてたのぉ。それ用の奴じゃな、ちょっと待っとれ」
この人、呑み込み早ぇ。チュニアは建物の奥の方へ消えた。
「あ!! そういえばサムちゃん!」
すぐに戻って来た。なんだか少し慌てた様子だ。
「セブンスイーグル、持っとるんじゃったな?」
「え? あ、はい。この人が今、所持しております。サクラ君、セブンスイーグルをちょっと出してくれ」
俺は、言われる通り、セブンスイーグルを取り出した。
「おぉ、コレコレ。ちょっと借りるぞい。サムちゃん、すまんがちと時間をくれんか?四時間もすれば出来るはずじゃ。他の者達の武器も体格に合わせて少し修正が必要そうじゃからな。すまんが、そこの海ででも遊んでいてくれんかのぉ。サムちゃんも、お前さんもたまには羽を伸ばしんさい」
そう言うとチュニアは、セブンスイーグルを持って今度こそ奥に消えて、それから出てこなかった。
「仕方ないな...お言葉に甘えることにするか。とりあえず、一旦ビーチに行くとしよう」
サムは、少し溜息をついた。心なしか安心した表情に見える。
「やったぁ!海で遊べる!!」
シィズがやたらとノリノリになっている。そんなに海に行きたかったのか?
俺たちはビーチに戻った。
そういえば、水着なんて持ってないなと思っていたが、水着の貸し出しを近くの海の家でやっているみたいだった。俺たちはそこで水着とついでにビーチボールもあったからそれをレンタルした。
さてと、今日は遊ぶとしますか!!