第1章 3話 異世界の魔法
「そういやぁ あんたの魔法については実際のところ分からないことが多いんだ。ちょっととりあえずなんか魔法やってみてくれ」
僕は、さっきどうやってたっけ てか どうやるんだ?と思いながら、適当に手に炎をともしてみようと考えて左手に、精神を集中させてみることにした。そうしたらさっきと同じように手が少しむずがゆくなった。
そして
『ボゥ』
僕の左手に炎が出た。僕は、思わず「あっできた」と言った。
普通なら出来ないパターンだなと思っていたらすんなり出来てしまって。僕は、心底驚いた
「あの とりあえずできましたけど」僕は、ビーンに向けて言った。そしたらビーンは慌てて僕に何か言ってきた。
「袖!袖! 燃えてる燃えてる!」
と言っている。僕は、自分の左腕に目をやったら、魔法の炎が服に燃え移っていた。僕わ慌てて
「うわわわわわ!あっち!」と言って右手ではたこうとしたら、『ジャァ』と言って今度は、右手から水が出た。左手の炎は鎮火した。僕はまた驚いた。するとビーンが考え込んで言った。
「やっぱり 魔法を何種類も使えんのか」 やっぱりこの事は、他と違うらしい
「そういえばさっき言ってましたね。魔法は一つの一族に一種類ってそれってどういうことなんですか」 僕は、質問した。
「あぁ この世界には五百年前に魔法を扱うものが現れたのは、さっき言ったな。そいつだけなんだよ。ありとあらゆる魔法を使ったのは、そいつの子供たちは、一人ひとり異なる別の魔法をひとつだけを持って生まれたんだ。それが枝分かれして今 七つの種族に分かれたんだ。
まず火を操るヒィ族 水を操るフゥ族 土を操るミィ族 風を操るヨゥ族 氷というか冷気を操るイツ族 んで電気を操る俺はムゥ族 そして光を操るナナ族ってな」
僕は、この名前を聞いて(ひー、ふー、みー、ってまるで数字みたいだな)と思ったけど、声には出さなかった。
「これが、この世界の魔法についてだ。あんた ここで普通に暮らしたいなら、魔法はあんま使うなよ。いろんな魔法を使ったら予言の勇者だって分かっちまうからな何言われるかわかんねぇ。じゃ さっさとここ出て避難民の受け入れ手続きすっから役所行くぞ役所」
ビーンがせかせかしながら言っている、何かあったのだろうか。
「あの ビーンさん?さっきからなんか慌ただしい気がしますけどなにかあったんですか?」
するとビーンは、ちょっと早口で答えた
「あぁ やっぱ図書館って嫌いでな十分以上いると出たくてソワソワすんだよ」
あっそうですか。もうちょっと魔法について聞きたかったが、これ以上迷惑もかけられないから、僕たちは外へ出た。
外へ出ると、階段のところ五〜六歳ぐらいの小さな女の子が立っていた。女の子は、けっこう暖かい日差しの下にいるにもかかわらず大人用の長いコートを引きずりながら着ていた。女の子はずっと僕のほうを睨むように見ている。
(あれ、なんかあの目 何かに似ているような)僕はそう思って女の子に声をかけようかと思ったが、ビーンが急かして役所のある建物まで引っ張られるように連れていかれた。
「わりぃな 引っ張るような感じで連れてきちまって ここがボーダー地区の区役所だここで住民登録をする。けど名前は偽らないといけないけどな。この国で苗字を持ってるのは、俺たち魔法族だけだかんな それにさっきも言ったかもだが、避難民のあんたが魔法を使えたらそれはそれで問題だ。だから偽名を使う。わりぃな いきなり束縛事が出来ちまって。じゃ 名前はミカミでいいか?」
僕は、(それは、苗字なんだがな。でも まぁいいか)と思って「あっはい」と生返事をした。僕たちは、建物に入っていった。