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平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ!  作者: カップやきそば
第二章 この異世界より覚悟を決めて
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第2章 4話 覚悟は決めるが使えない勇者

 俺たちは警察署の裏に戻った。誰にも見つからないように、ひっそりと。俺は、普通に歩けるまでに戻った。


 「ふぅ。何とか戻ってこれた。これからはまともに生活は出来ないな」


 サムの言葉に俺は、反省していた。


 「本当に、すいませんッス。なんか俺の勝手な行動で、みんなに迷惑かけてしまって...」俺は謝ることしかできない。


 「いや。もういいんだ。でもこうなってしまったからには、何とかしなければいけないな...」


 サムは頭を悩ませている。


 「そうねぇ。これからは表立って行動できなさそう...しばらくは、ここで生活するしかないわね」


 シィズは肩を落とした。俺は、何とかしなければいけないと思った。


 「俺...何とかするッス!ここにはまだ残り二人、俺と同じ世界から来た人がいるんスよね。王は一人。俺たちは三人。やれるはずッスよ」


 俺は、周りを元気付けようと明るくふるまう。グレイシアが驚いたように俺を見た。


 「後...二人?」


 グレイシアは、どうやらそのことは知らないみたいだ。


 「はい。彼以外にも、我々の仲間が二人を保護しているみたいです。今こちらに向かってます」


 サムが簡単に説明した。


 「それは使える。レイもさすがに知らない。これは機会かも」グレイシアは考え出した。


 「あっそうだ。グレイシアさん。我々の仲間をまだ紹介していませんでしたね。ちょっとついて来てください。それと、サクラ君。本当にいいのかい?急にこんな危険なことに巻き込んでしまった。我々の責任でもある。君の意見を聞かせてくれ」


 サムは俺に聞いた。俺はもう引き下がる気は起きない。覚悟を決めて行動しなければ、俺は理解した。さっきの出来事。俺はもう安全に生きていくことは出来ない。だったらやってやる。あいつを倒して、元の世界に帰る方法を見つけてやる。


 「俺はもう決めたんス。俺はあなたたちに協力する。俺はあの三上 礼とか言うやつは、どうにも許せないみたいッス。実際に会って痛感したッス。あいつはヤバいッス。生かして置いたら世界は、あいつのおもちゃ箱になるッスよ。俺は絶対にあいつを阻止してみせるッス!」俺は覚悟を決めた。


 「ありがとう。君がいれば...いや、今回は三人いるのよね。できることなら、その人たちにも協力を仰ぎたいところだわ。三人いれば、間違いなく倒せるはず。これからよろしくね。サクラ君」


 救急隊員も少しテンションを上げてきた。


 「よし!じゃあついて来てください!」サムは、俺たちを反逆者達の集まっている場所に連れて行った。

 

 「みんな!さっきの話の続きだ!この度、我々の仲間に新たに仲間を加えることになった。どれも驚く者達だ。一人は、王の妻。グレイシア ダスト アダムス。彼女は王の行動を見限り、我々に協力してくれるそうだ!」


 集まっていた人たちはどよめきあがり、大歓声が起こった。


 「まさか...グレイシア様が!?」「まじかー!」「グレイシア様。俺を踏んでください」


 なんか中に変な言葉が紛れている。グレイシアはスルーしているみたいだ。


 「みんな...よろしく」グレイシアはそれだけ言って下がった。


 「それからもう一人。先ほど紹介し損ねた人物。サカガミ サクラ。彼はミカミ国王同様にニホンから来た。彼は、我々に協力してくれると言ったてくれた」俺は一歩前に出た。


 「坂神 桜蘭ッス。俺はさっき三上 礼に会ったんス。あいつはヤバい。俺は絶対にあいつからこの世界を救うッス!」俺は、拳を上げた。


 「うおー!」ほかのみんなも一斉に拳を上げた。なんか気持ちいい。


 「それにだ、これもさっき言いかけたことだが、ニホンから来た者があと二人いる。できれば協力を仰ぎたいが無理強いは出来ない。だが、彼らは迷い人だ。我々は王の魔の手から彼らを守らなければならない。みんな!協力してくれ!『すべては平和の為に!』」


 サムの言葉に周りのみんなから大歓声が上がった。


 「よし。君たちはこれから、我々の仲間『反逆者達』だ。これからよろしく頼む!」俺は、サムと握手した。


 「ありがとう」


 サムは、心の底から感謝しているみたいだ。


 「よし!これにて解散!くれぐれも見つからないように!」


 周りのみんなは、どこはともなく姿を消した。


 「さてと。私たちは、ここで暮らす準備でもしましょうかね」


 シィズは、そそくさどこかへ行った。


 「ここなら。存分に、戦える」ボソッとグレイシアが言った。


 「サム。サクラは今どこまで戦える?」グレイシアはサムに聞いた。


 「え?知りませんよ。彼を保護するのに必死だったんですから」サムは困ったように返した。


 「そう...サクラ。魔法は今どこまで?」


 グレイシアは今度は俺に聞いた。っていうか魔法?


 「魔法?どういう事っスか?」


 俺の反応に、グレイシアはやれやれと言った反応をされた。


 「コレ...」グレイシアは右手を横に突き出した。


 『バキィン!』


 氷の山ができた。


 「ファッ!?」


 俺はビックリして飛び上がった。そういえばさっきから氷が当たり前のように...あれ?俺もなんかさっき、やれてたような。


 「これが魔法。やってみて」


 いきなりやれと言われても俺は、どうしたらいいか分からない。とりあえず手元に意識を集中してみることにした。


 「えっと?どうやるんスか?こうッスか?」


 『ボゥ...』指先からなんか小さな炎が出ている。


 「うおー!すげぇ!なんスかコレ?異世界で魔法って?ゲームみたいじゃないっスか!やべぇ!これやべぇッス!」


 俺は、自分が魔法を使えてたことに、すごくハイテンションになっていたが、周りは、ポケーっと俺を見ていた。いきなりやれてるって実は俺、すげぇのかな。


 「だめだこりゃ」


 グレイシアがため息をついた。え?


 「も...もしかして、つ...疲れてる?」


 グレイシアが俺のでこに手を当てている。別に風邪を引いているわけじゃないぞ。


 「きょ...今日は休んで」


 グレイシアは俺の肩にポンと手を置いた。


 「そ...そうだな。サクラ君。まだ夕方だけど、今日は休んだほうがいいと思うよ。ここには一応居住区があるからね...案内しよう」


 俺は、サムに案内された。あの反応どういう事だろう?



  

 俺は、アパートの一室のようなところに案内された。居住区と呼ばれているが、普通のアパートのように廊下があり、合計十部屋程、俺の部屋のようなものが並んでいるだけだ。


 「ここは地下だから窓はないが勘弁してくれ。ここは君の部屋でいい自由に使ってくれ。ここの右となりの部屋がシィズ。左がグレイシア。向かいが私の部屋だ。何かあったら呼んでくれ」


 「分かったッス。ほんとありがとッス。サムさん。これからお世話になるッス」俺は元気にあいさつして、ドアを閉めた。

 

 俺は、適当に布団に転がった。なんか眠くなったので寝ることにした。

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