プロローグ2
「レイ...だと お前 いま レイつったのか?」
さっきまで僕を軽蔑していた顔は、驚きしかなくなっていた。
僕は、(何か変なことでも言ったっけ?)そんなことを思っていたら、急に肩をつかまれて、騎士は、僕に詰め寄った
「お前!産まれた国はどこだ!!どこから来た!!」
騎士の顔は切羽詰まった顔をしている。僕は、慌てて答えた
「に...日本です」
そう答えたとき僕をつかんでいた手の力が弱まった。
「まさか…こんなことが...」
騎士は、一人で何か言っている。僕は、どういうことが理解できず、質問した。
「あの~何か変なことでも言いましたか?僕...」
すると騎士は、はっ!...と我に返ってこちらを見た。
「あぁすまねぇ...ってあんた怪我は?さっきまで血ぃ流してなかったか?」
そう質問し返されて僕は、体に目をやった。僕も驚いた顔になった。さっきまで必死になっていたから痛みも感じなくなっているのかと思っていた。けど僕の体は、血どころか体の痛みも完全になくなっていた。
「えっ? あれ...?」
わけがわからない。そう思っていたら、
『ぐぅあああぁぁぁ』また「あいつ」の声が聞こえた。
「また出やがった」
騎士がそう言って 僕は、後ろの草むらを見た。そこにはさっき倒した「あいつ」がいた。しかも五匹もいた。
「うわぁ!」
座っていた僕は、飛び上がり後ずさりした。それを見た騎士は、こう言った。
「なぁにビビってんだぁ?こんな奴ら俺の手にかかればちょちょいのちょいだぜぇ」
僕は、こう言われた瞬間少し安心した。そしてこう思った(ちょちょいのちょいってすこし古くないか?)そう思っている間に、騎士は...
「ほらよっとぉ」
と持っていた槍で「あいつ等」を薙ぎ払う。気づいた時には、三匹横たわって動かなくなっていた。『ぐぅるるるるぅぅ』残った二匹は、一斉に騎士にとびかかった。
「無駄だぁ!」
騎士は、槍を横に薙いで二匹同時に切り裂いた。
「ふぅ おわりっとぉ」
騎士は、僕のほうを向いて歩いてくる。
「けがはねぇかぁ~?」
騎士が僕に聞いてきた時、騎士の後ろの草むらが動いた。そして「あいつ」が飛び出し、騎士に襲い掛かろうとした。
そう、もう一匹いたのだ。この程度のことは、騎士にとっては想定済みの事だったのかもしれないがその瞬間僕は、
「危ない!」
と言って思わず手を前に出した。その時だった僕の手がかゆくなった。そして僕の手から炎の玉が出た。炎の玉は、まっすぐ「あいつ」目がけて飛んでいき直撃した。炎の玉は、「あいつ」巻き込んでさらに飛び草むらに直撃した後、炸裂した。炸裂したところには、小さなクレーターが出来ている。
僕は、唖然としていた。騎士もポカーンとしている。そして騎士が先に我に返り
「やっぱり...」そう呟いた後、僕に近づいてこう言った。
「知りてぇ事あんのか?少しだけなら教えてやれるかもしんないぜ」
その時、僕も我に返った。
「あっ...はい」そう言うと
「だったら俺の後ろの乗りな。詳しい話は、街についてからだ」
騎士は、バイクに乗り僕は後ろに乗った。
「ちと飛ばすからしっかりつかまってろよ」
僕は、騎士の腰に手をまわしてつかまった。鎧がちょっと汗臭くごつごつしてて痛い。そんなことを思いながら、バイクは遠くに見えていた街に向かって走っていく。