第二章 エピローグ この異世界より覚悟を決めて。
俺の闘い。それは自分自身との戦いでもあった。それはきっと永遠に続く闘いだ。これまでもこれからも俺は俺自身と戦い続ける。この異世界より覚悟を決めて。
拙者は、誰かの為に闘うという覚悟は空想の中での事でしかないと思っていたのでござる。だが、命を賭けた戦いの中でそれは現実にあると感じたでござる。この異世界より覚悟を決めて、拙者は守って見せる。この世界で出会った、大切な者たちを...
わたくしは今まで、常に誰かに守られていました。お父様、執事、そして桜蘭さんやグレイシアさんたちに。だけど、守られるのも、泣くのも、傷つけるのも、もうお終いです。これからはわたくしが皆さんを助ける番です。この異世界より覚悟を決めて、わたくしは立ち上がります。
私はなんでここまで来たのか、サクラという人間に惹かれている?それはまだ分からない。だけどこれだけは分かる。置いて行かれたくない。だから私は追い続ける。この世界より覚悟を決めて、私はあの人たちと共に歩き続ける。
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「グレイシア、行く前に言っておくことがある」
桜蘭たちがアトランティスを出る前、ワダツミはグレイシアに話しかけていた。
「異世界より現れた者は、死亡した時にその存在は元の世界に戻る。グレイシアは礼の死体を見ていた...その後は見た?」
「見ていない。消える姿を見たくなかった。だから即座に行動した」
「死体は消えていない。だけどあそこにはもう無い。あるのは彼の残した剣だけ。三上礼の死体はまだこの世界にある...」
「それは、どういう意味?」
「分からない。死んでいるけど消えていない。私に見えたのはそこだけ」
「...まさか!」
この世界にはまだ分からないことが沢山ある。未来が見えても変えられるかどうかは誰にも分からない。わたしには何も見えない。全ての闘いの先に何が待つのか。だからわたしも覚悟を決めなければいけない。そして見届ける。それがわたしの使命。
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目の前の現実に惑わされてはいけない。
目の前にいる敵は本当に敵か?真実を見ろ。表面上の現実だけでは物事の本質は見抜けない。
真の敵がどこにいるのか、見えているはずだ。目を逸らすな。
現実は真実であり虚実だ。だから立ち向かえ。そして戦え!
敵は己自身だ!!