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平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ!  作者: カップやきそば
第一章 この異世界より真実を込めて
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第1章 9話 異世界の勇者 その2

 「答えを知ってしまったとは、どういう事ですか?ミカミさん?」


 アンドリューは、僕に詰め寄るように、聞いてきた。


 「分かりませんか?あなたがくだらない理由で僕たちを殺そうとしていることを知ってしまったんですよ!」


 僕は、彼女をつかんでいる男に向かって炎を出した。男は、急なことだったので手を放してしまった。


 彼女は、ついでと言わんばかりに男の腹を肘で突き男をよろけさせた。その後彼女は、僕の後ろに逃げ込んだ。


「貴様!ヒィ族なのか!?」男が、驚いた顔で僕に言って来た。


「何故だ、我らヒィ族にそんな顔はいない!貴様は誰だ!」


 「知る必要はないでしょう。この子は、こっちにいるんだから」と言って僕たちは、再び家に入った。


急に僕がUターンしたのでビーンがびっくりして後ろによろけた。


 「何してるんですビーンさん!逃げますよ!」


 僕は、ある方向を指さし言った。


 「戦うんじゃねぇのかー!」

 

 ビーンは、わざわざ扉を閉めて逃げ出した。外で「早く開けろ!」「回り込め!」といった声が聞こえてくる。


 僕たちは、二階に逃げていた。


 「ここじゃいつ見つかるかわかんねぇぞ?どうすんだ?」


 下でガタガタ探す音が聞こえる。そして階段の上がってくる複数の足音がした。


 「おい、やべぇぞ上ってきた」


 ビーンが下を指さしながらあたふたしている。


 「いえ、これでいいんですよ。計画通りですから。あの人、意外とバカなんですね」


 僕は、にっこり笑いビーンに言った。


 「あーっ!もうどうにでもなれ!とりあえずあんたを信じるぜ」


 ビーンが頭をぐしゃぐしゃしたときに、アンドリュー達は、僕にいる部屋のドアを開けた。


そこには、アンドリューとあの男含め4人ほどいた。


 「見つけましたよ。こんなとこに逃げてバレないと思いましたか?今は火事です。ここが燃えても不思議ではない。ビーンさん。あなたは、優秀な人材でしたが、すみません、死んでもらいますよ」


 アンドリューは、勝ち誇った顔つきをしている。


 「やっぱ俺まで殺されんのかよ」


 ビーンは、槍を構えようとしたが、僕はまた止めた。


 「また止めんのかよ!」


 「戦う必要なんかないんですよ。あなたたちがここに来た時点で、僕の勝ちですから」


 僕は、勝ち誇った顔をし返した。


 「何を言ってるんですか。ここまで追い込まれておいて、負け犬の遠吠えですか?」


 アンドリューは、眉間にしわを寄せている。


 「ここは二階ですよ。そんな高さはないから落ちても死ぬことはない。そして僕の後ろは、窓だ」


 僕はニコッと後ろのすでに空いている窓を指さした。


 「下に人員を配置しておくべきでしたね。じゃっ!」

  

 僕は彼女を抱きかかえ、二階から飛び降りた。衝撃で足がかなり痛かったが、すぐに収まった。ビーンは、壁に槍を突き刺して降りた。


 「じゃ、広場まで行きますよ」「おう!」


 僕たちは、走り出した。後ろのほうで、


 「待てー!逃がすなー!」といった声が聞こえてくる。があの位置からだったら、僕たちが広場に着くのが圧倒的に早かった。


 「皆さん!聞いてください!この火事は、この子を殺すためにわざと起こされた火事なんです!」僕が叫ぶと周りは、急に静かになった。


 「この火事は、ここの区長のアンドリューさんがこの、ダストって子を殺すために、起こされたんです」


 僕が言い終わると。周りがざわざわし始めた。


 「えっどういう事」「アンドリューさんが?」


 といった声が聞こえてきた。しかし、僕の後ろで叫ぶ声が聞こえてまた静まり返った。  


 「そいつの言うことは信じるな!そいつは、敵国のスパイだ!この国を内側から崩壊させるためのな!」


 その声で、僕たちに向かって一気に敵意を向けられた。ビーンは唖然として動かない。だけど僕は、動じなかった。僕はポケットに手を入れてスマホを取り出し。あるボタンを押した。


 『お前は どうしてここにいると思う?お前はこの町のゴミだからだ』


 先ほどのやり取りが、スマホから急に流れ出した。僕はあらかじめすべてのやり取りを録音しておいたのだ。アンドリューは、目を丸くしている。


 「おい、なんだそれは」アンドリューが僕に聞いてきた。


 「やっぱり、録音なんてこの世界にはまだ普及してないんですね。これは、話した内容をそのまま残しておくものですよ。つまり、今、あなたはここにいる全ての者に嘘をついたという証拠ですよ」


 僕が言い終わって、周りがポカンとしていても、再生は続いた。今までのすべてを伝え、再生は止まった。


 再び、周りがざわつき始めた。


「どうなってんの?」「まさか、本当に?」「いや、そんなはずないでしょう」


 色んな意見が生まれていた。僕の味方に聞こえる意見もあれば、僕のほうを疑う意見、様々だった。アンドリューはそこそこには、街の人たちに慕われていたのだろう。唐突に、アンドリューが声を上げて、叫んだ。 


 「これこそが罠だ!このような機械私たちの国にはないだろう!これがこいつが敵の国の者である証拠!この避難民を信じるなぁ!」


 目が泳ぎまくっている。この声で、また


 「そうだよね、区長に限って」「やっぱり、火事の犯人もこいつなんじゃないか?」


 といった、僕に敵意の向いた声が聞こえてきた。ここまで来るとどちらが味方を多くつけるかの、争いにしかなっていなかった。どいつもこいつも、流されやすい奴だと思った。


 「仕方ないですね、仮に僕がスパイだったとしたらどうします?ここで殺しますか?」僕は煽った。


 「当たり前だ!あの国のせいでどれだけの犠牲が出たと思ってる!殺れ!今ここで!」


この一声でアンドリューの後ろにいた男が僕に向かってきた。


 「ここまで来たら戦うしかないですね。ビーンさん戦いますよ。でも殺さないで下さいね」


 僕はビーンにそう伝えた。


 「今度こそ戦えるのか、いい加減この下らねぇやり取り、我慢の限界ってとこだったんだよ!」


 そう言ってビーンは、槍の刃を上に向けて構えた。 僕は、精神を集中させて、地面に手を置いた。


『ドガガガー!』


 「ギャ!」「グワッ!」


 男たちの足元から 地面が勢いよく突き出し男達の顔面に激突した。アンドリュー含め四人いた男はアンドリューとダストを捕まえていた男の二人になった。


 「なっ...そんな馬鹿な!炎以外にも魔法が使えるなんて...貴様いったい何者なんだ!?」


 ヒィ族と言っていた男が聞いてきた。周りも僕が魔法を使ったことに驚いているようだった。僕は、たまたま落ちていた鉄パイプを拾った。僕は、何も言わず鉄パイプを男に向けて構えた。


 そして、僕は足元に精神を集中させて、鉄パイプを振りかぶり一気に踏み出した。僕は、足元から風を爆発させて一気に間合いを詰めて鉄パイプを振り下ろした。男は、僕が急に加速したことに判断が遅れて、防御の姿勢に入る前に僕の一撃が、男の首元に直撃した。その直後、僕は手元に精神を集中させ鉄パイプに電流を流した。


 「ぐぅあああああぁぁぁぁ!!」


 男は、体を痙攣させながら倒れた。残るは、アンドリュー一人になった。


 「そんな...ありえない。こいつらは、魔法族の中でもかなり優秀な人材のはずなのに...」


 アンドリューは腰を抜かして倒れこんだ。僕は、アンドリューに鉄パイプを突き付けた。


 「お、お前はいったい、なっ、何者なんだ!!」


 アンドリューの顔は、恐怖しかなくなっていた。


 「なんとなく気づいてません?突然現れたあらゆる魔法を扱う存在。僕の産まれは日本なんですよね」


 「まさか...予言の勇者とでも言いたいのか?」


 「はい。僕の名前はミカミじゃないんですよ。僕の名前はレイ...三上ミカミ レイこれが僕の本当の名前なんですよ」

 




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