0話
初めての作品となります。
拙い書き方だとは思いますが、皆さんに見てもらえれば幸いです
「ああ、やっぱり・・・
世の中の女はなぜこうも身勝手なんだ・・・
この23年何のために生きてきたんだろう・・・
なぜ僕はこんな所で・・・お前らなんかのためにっ・・・!」
「おーい!コータ!仕事終わったか?終わったら飲み行こうぜ!」
そんな声が後ろからかけられる。
職場の先輩だ、とても親切な先輩で僕をよく遊びや飲みに誘ってくれる、だけど・・・
「すみません、先輩・・・今日も帰ったら家事とか残ってるんで・・・」
心情的にはお世話になっている先輩の誘いを断りたくない、でもすぐに帰らなきゃいけないんだ・・・
心の中でも何回も何回も謝る。
「そっかー、家の事忙しいっていつも言ってるもんなぁ、まぁ!暇があったら言ってよ!合コンでもセットするからさ!」
僕は、先輩の器の大きさを改めて感じると共に、『合コン』という言葉に内心震え上がる。
「じゃ・・・じゃあすみません!僕帰るんで・・・本当にすみません!」
僕は背中に冷たい汗を感じながら先輩に必死に頭を下げる
「いいっていいって!また暇あったら連絡してよ!」
先輩は優しい顔で笑いつつ手を振っている。
「ではすみません!失礼します!」
僕は急いで荷物をまとめ帰宅する。
職場から家までは15分途中のスーパーで買い物をしながら家路に付く。
「・・・ただいま」
帰宅をするとリビングから声が聞こえる、ああ、またか・・・
「アハハハ!マジ?ちょっとヤバくない?アハハハハ!」
このけたたましい声をあげてスマホ相手にしゃべっているのが姉だ・・・
「アハハハ・・・ッチ・・・ああなんでもないなんでもない!虫が視界に入ってさー!」
そういいつつソファーから起き上がり自室へ向かう姉
こんな物はもう慣れた、いつもの事である。
コータはそのままキッチンへ向かい夕食を作る。
朝のうちに洗っておいた風呂にキッチンからスイッチを押し、湯を入れる
料理を作り終え、テーブルに料理を並べていると2階から妹が降りてくる。
「ああ、もうご飯できてんじゃん、姉さんたち~ご飯食べよー」
そう言うと僕の存在は無かったかのように妹は席に着く
5分もしないうちにテーブルに姉と妹の5人が座り終え、僕は部屋に戻る。
食事を食べないのか?と思うかもしれない、でもここの家では私は皆と食事はとらない。
それが昔から続いているので周りに指摘されなければおかしいとも思わない。
自室に入りスーパーで買った携帯食とお茶を飲み、リビングの食事が終わったのを音で確認した後、片付けのためリビングに向かい洗い物や洗濯をする。
これが僕の日常であり常識である、たまに変わるとすればここに母が加わることくらいだろう。
こう言った環境であるが故、女性の仄暗い部分を見ている私は女性というものが怖くて仕方ないのだ。
今日もいつも通り帰宅し、いつもの様に食事を作ろうとリビングに入ろうとする。
するといきなり大きな罵声とも言うべき声が聞こえてきた、実に耳障りだ。
「はぁ!?あんたとはもう別れたって言ってるでしょ!?もう連絡してこないで!」
ヒステリックな声をあげて電話をしている姉、ああ、またか・・・
この姉、頻繁に男に貢がせては捨てている所謂「悪女」という分類でありよくこう言った電話をしていた
触らぬ神にたたりなしと内心で呟きながら食事を作る。
そしていつも通り部屋に戻って今日はチョコ味の携帯食料にするかと部屋に向かっていると・・・
突然玄関から轟音が聞こえてくる、何事かと玄関まで行くと
車が玄関を破砕し頭を除かせているではないか!唖然としていると姉や妹が玄関に向かって走ってくる
車から数人の人間がドタバタと降りてきた、姉を引き渡せと要求している。
どうにも姉が騙し貢がせ、そして捨てた男たちのようだった。
男たちは各々手に凶器らしきものを持っている、非常に危険だ
姉は悪女であるが故話が上手い、少し少しと時間を稼ぐうちに遠くからサイレンが聞こえてくる。
近所の人が通報したのだろう、車が民家に突っ込めば無理も無い。
それを聞いた男の1人が逆上したのか襲い掛かってくる。
姉は僕の後ろにいるのでこちらに向かってくる、僕は避けようと横に動こうとすると、体が動かない、なぜだ?
振り返れば姉が私を盾にしている、姉以外の妹たちはすでに逃げている。
そして正面を向けばもう男は目と鼻の先、手に持たれた包丁はすでに私に突き立てられていた。
ああ、なぜこうなった
薄れていく意識の中で僕は呪詛とも言える言葉を口にした。