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千両万両の金には惚れぬ

 『ソライロアサガオ』と呼ばれる少女の噂は、他校生の正悟に耳にも届いていた。

 運命の相手と結んでくれるという少女の話を最初は興味なく聞いていた。それは、噂や迷信の類はまず疑ってかかる正悟が最も忌避する内容だったからだ。

 そしてそう言った迷信を信じないリアリストの視点から見えてくるのは、噂の的となっている少女の男関係のだらしなさと交友関係の広さだった。

 付き合っては別れ、付き合っては別れを繰り返しているようにしか聞こえなかった。よくもそこまで取っ替え引っ替えしながらトラブルに巻き込まれないものだとも。反して交友関係は同年代だけでなく下は小学生から上は六十以上と驚くほどの幅広さだが、淡白なものだということがすぐに分かった。

 ソライロアサガオと言えば、誰もが友達だった、知り合いだったという。その話には必ずと言っていいほど、長いこと、もしくは最近は会ってないけどなどという、安否さえ知らないという言葉で締めくくられる。安否は噂で流れてくるから知っているだろうが、疎遠になって久しいというのは確かなようだ。

 過去形で示される交友関係に正悟はわずかな引っかかりを覚えた。それでも正悟にとっては噂の中の人物、ただそれだけの存在だ。

 正悟が気になってしょうがない異性と言えば、あの雨の日の柳の下の逢瀬以外にはあり得ない。

 今にも儚くなってしまいそうな少女を、無意識に自らの腕の中に抱きこんだ。

 小さくて、冷たくて、悲しい。そんな思いだけを残した少女。彼女の涙が乾いた頃、正悟はその腕を解いた。それを感じた瞬間、少女は顔を俯かせたまま、雨の中を走り去ってしまった。残るものは、何もなかった。ただ、不安定に揺れながら走り去る朱色の傘だけが、目に鮮やかだった。

 どうしてあそこまで気になったのかは分からない。物語でもよく言うように、恋とは落ちるものらしい。なるほど、感情と言うのは自分ではどうしようもないもの、衝動と同じだ。落とし穴のようにもなるし、上から降ってくる雷のように体を貫くこともあるだろう。どちらにせよ、抗いがたいものであることに変わりはない。

 そう結論付ければ、正悟の頭脳が叩きだしたのは自分が恋をしているという、至極一般的でありふれた、しかし初めての椿事である。

 まさか自分が誰かを好きになるなんて思ってもみなかった正悟ではあるが、そこを追及すると感情とはどこから生まれてくるのかという哲学的な命題になりかねないことも十分理解していたので、一旦その考えは横に投げ捨てた。

 次に、諦めきれるか否かを検討してみた。

 何故好きになった途端に諦めることを念頭に置いているかと言うと、正悟は今の今まで恋愛をうまく運んだ試しが全くなかった。

 正悟は仲間内から『整った容姿は涼しげで、ストイック。知的で冷たいが誠実なところが女心をくすぐる』と称されている。つまり、他を寄せ付けず、同年代の男子よりも大人びているところが女子の憧れになるらしい。それに加えて勉強熱心で、教える時も丁寧かつ誠実と人柄を表しているらしく、余計に同年代の女子からの指示が高い。さらに、正悟は気付いていないが、読書をしている時に鉄面皮が緩み、微かに微笑んで見えるらしい。その優しそうな眼差しに大人の女性がやられるということは、正悟以外しか知らない。あの気難しそうな表情を自分の前では緩ませてみたいというのが、世の女性にとってこれ以上なく刺激的で、征服欲を煽るのだという。

 ここまで己が美化されているとは知らない正悟は、寄ってきた女性とはそれなりの仲までいくことがあった。

 男女の付き合いは嫌いではなかった。

 恋愛は一人では得難いものであったし、新しい関係を築くことは己のためになると知っていた。好かれていることも人間として、男として当然嬉しい。相手の人となりを知っていれば余計に好ましさも募った。

 そして交際を開始すると、お互いに落胆や苛立ちを抱えやすくなった。

 最初は一緒にいたがる女性に合わせることも、自分とはまるで違う内容、話し方の女性の相手をするのは有意義と言えば有意義だった。しかし、時間が経って落ち着くかと思えば女性は要求が増えるのだ。

あれがしたい、ここに行きたい、もっと好きになってほしい。

 個別の人間であり、違う生活環境や習慣の中にいる人間が一緒に何かをすることには限界があり、感情と言うものは正悟が抱くものであっても正悟自身が抱こうと思って抱ける随意的なものではない。それなのに、自分の社会的に重要なこと、自分ではどうしようもできないことを意のままに操れないことを非難されることに正悟は窮屈さと苛立ちを覚えるようになる。

 女性の方も最初はストイックで大人びた正悟といると誇らしいものだ。おまけに自分の話を聞いてくれるし、本をよく読んでいるだけに場の雰囲気をよく読み、エスコートもうまい。まさに思い描いた通りだと満足するのだが、時が経てばそれだけでは満たされなくなってくる。

 もっと好きになってほしいし、それを表してほしい。それができなくとも、それを感じられるように自分を求めてほしい。

 それが正悟を苛立たせることに納得がいかなくなる。自分は好きなのに、どうして分かってくれないの? 私のことが好きなんじゃないの? となり苛立ちが募る。

 さらに、正悟のストイックで冷静、大人びた部分も、実はあまり感情を動かさないがゆえにそう見間違えるだけであることに気付き始める。話していることも難解でまるで授業を受けているようだという人もいた。理想的に作り上げた正悟の偶像が、彼自身の理論的かつ現実的な思考に打ち砕かれて、厳しい言葉によって終わるのに時間はかからない。

 人が変われば異なるのかと思いきや、タイプの異なる何人の女性と付き合っても期間の長さの差こそあれ、結果は変わらなかった。

 残るものは安堵と疲労、自由。隣に恋人がいなくなっても寂しいとすら思わない自分に気付いた時、正悟は自分が女性たちに恋をしていないことを知った。

 親愛はあっても情愛はなかった。好ましいとは思っても愛おしいとは思わなかった。

 自分は恋をせず、生きて行くかもしれないと悟った。そしてそれもいいとさえ思った。

 恋は絶対的に必要なものではない。親兄弟からの愛情を受けていたから、それを誰にも抱かないことに罪悪感はあれど、正悟にはやりたいことが山のようにあったから、それだけに没頭していることで社会的には秀才として両親を喜ばせることができた。

 兄姉は可愛らしくない弟を困ったように見つめていたが、後継ぎでもなく、ましてや不出来なわけでもなく、むしろ不器用ながらも親愛を示してくる弟の意思を尊重しようとしてくれた。

 理解ある周囲に恵まれたことが災いし、ある時期から正悟は勉学や趣味である研究に没頭するようになった。うまくいかない恋愛事は二の次、三の次である。

 うまくいかないと今までの過程で分かっているのだから、一度きり会っただけの名も知らぬ少女のことなど忘れてしまった方がいい、うまく立ち回って結ばれても、きっと別れてしまうのだから半ば思い込もうとしていた。

 今までと違って、正悟が自らの感情という名の衝動で以って腕の中に招き入れた少女であることを自覚しながら。

 そのうち、小学校から付き合いのあるクラスメイトが長年片想いをしていた少女と結ばれ、惚気話を聞かされるようになった。

 運悪く、休日に注文していた本を受け取って本屋から出たところを捕まり、恋人との待ち合わせまでの暇潰しとして駅前まで付き合わされることになってしまった。

 うんざりとした気持ち半分、被害もなく人の機微について学ぶいい機会であること半分で正悟は延々と続き話に耳を傾けていた。

「それにしても、あそこまで犬猿の仲だったのによくも手に入れたものだ。」

 話の間に素直な感想を述べると、彼は当然というように胸を張っている。

「そりゃそうだ、ソライロアサガオと付き合ったんだからな。」

「は?」

 正悟は久しぶりに本気で意味が分からないという意味合いの言葉を口にした。その珍しい事態を目の当たりにした友人は、正悟以上に驚いた様子で補足してくる。

「ソライロアサガオだよ。噂くらい知ってるだろ?」

「それは知っているが・・・本当にそれを信じているのか?」

「にわかには信じられないが、あれは本物だ。」

 どういう根拠があって本物と判断しているかは分からないが、正悟が一瞬『ソライロアサガオ』に興味を抱きかけるほどには、目の前の友人と彼の恋人は険悪だったのだ。

 お互いに旧知の仲、歯に衣着せぬ物言いと言えば聞こえはいいが、舌鋒鋭すぎて周りも本人たちもお互いがお互いに片想いをしているなど思考の端にすら浮かばないほどの険悪さだった。存在を否定するような応酬の後に取っ組み合いの喧嘩に発展するのだから、周りは毎回生きた心地がしなかった。ある程度遠慮がないのは仲の良さを強調するものではあるが、親しき仲にも礼儀ありを痛烈に勉強するいい例だったと正悟などは思っている。

 このままでは埒が明かない、せめて普通に話せる程度にと思った彼は、駄目元で噂の『ソライロアサガオ』の少女を頼ったらしい。あっさりと付き合い始めたころから、劇的に仲が変わったのだという。

 顔を合わせれば喧嘩ばかりだったのが、『ソライロアサガオ』の存在を軸に話ができるようになり、幼い頃のようにゆっくりとした時間を過ごせるようになり、最終的には彼女の方から告白され、めでたく結ばれたのだという。

「すぐだぞ、すぐ! あれはすごいよ。」

「・・・はあ、そうだな。」

 正悟からすると、簡単な話だ。恋人ができたことでいつまでも喧嘩ばかりしていられないと少女の方が現実を冷静に見られただけのように思う。恋人の話や贈り物、出かけたことを話もしたし、それの相談に乗っていれば意気消沈した少女とゆっくりと過ごせるようにもなるだろう。その恋人が噂の『ソライロアサガオ』だと聞けば、本命が別にいることも予想できたはずだ。そこに望みをかけた少女が告白をすれば、運命の相手と結ばれる『ソライロアサガオ』伝説がまた一つ増えることになる。

 現実的に、冷静に考えればこれ以上ないほど科学的で単純なのに、それが重なったばかりに皆が皆、伝説扱いしているなど、滑稽だとさえ思った。

 ただ、目の前の彼とその恋人が、小さな小競り合いを繰り返しながらも幸せそうに寄り添う姿は見ていて悪い気はしなかった。だから、ほんの少し、『ソライロアサガオ』に感謝したくらいだ。

 そこで引っ掛かりを覚えた。それは偶然だったのか、正悟は疑問を口にしようとした。

「なぁ、その後・・・」

「あ、ほら、正悟! あの子だよ!」

「え?」

「あの走ってる子が『ソライロアサガオ』だよ。」

 休日で人が多い駅前、その少女の背は決して大柄ではなかったのに、異様に目についた。背中に流した黒髪が、はしゃぐ仔犬の尻尾のように揺れ、いかにも楽しそうだった。濃い紅の袴から伸びる革のブーツが地面を軽く蹴る。

「よく分かるな。」

 どこにでもいる女学生の後ろ姿だ。人間観察に長けた正悟でも、すぐに断言できるほど特徴的とも思えない。

「ああ、違うんだよ。『ソライロアサガオ』は決まって休日に遠出をするんだ。」

「遠出?」

「そう、何してるかは知らないけどな。」

 そう言い終えると、彼は正悟への別れの挨拶もそこそこに、駅近くの銅像の傍で待っている恋人のところに駆け寄り、そのまま人並みに紛れてしまった。

 正悟は得体の知れない疲労感に襲われながらそっと息を吐いた。

 駅前の喧騒はいつも以上にうるさく、人の多さに息苦しささえ感じる。楽しみにしていた本を早く読みたかったのに変な話を延々聞かされて、幸福感や知的興奮が全く沸かない。

 自分がいったい何のためにここに居るのかと、運の悪さと徒労を呪いたくなった。

 それでも、不思議なことだと思った。

 もみくちゃになりそうなほど人で溢れている駅前の通り。それなのに何故、友人は『ソライロアサガオ』をすぐに見つけることができたのだろう。そして何故、その少女の背中がだいぶ離れた位置にいる正悟から、頭のてっぺんから足先まで見えるのか。

 現実の情景と自分の認識にずれが生じているように思い、正悟が目頭を揉み解そうと目を瞑り、眼鏡のブリッジを押し上げた時、決して大声ではないのにその声が耳に入った。

「光流さん、お待たせしました!」

 心臓が、ひとつ、どくりと大きく震えた。

「もう、遅いよ。どうしてそうおっとりなのさ、君は。」

 応える声も鮮明に聞こえる。おかしい現象だった。正悟と彼女の間には三十メートルは空いている。大声でなければ、会話が聞こえるとは思えない。周りの人間は平然としているのだから、彼女たちが特別大きな声を出して話しているなんてわけない。

 それでも、否、そんなことより今正悟の胸を占めるのは・・・

「すみません。ですが、ほら、お弁当を持参しました。こちらが光流さんの分ですよ。」

「・・・物で釣ろうたってそうはいかないんだからね。で、でも、まあ、案内料くらいには貰っておくよ。」

 正悟は瞑っていた目を開き、三十メートル先の小さな背を見つめる。正悟と少女の間に広がるその空間は掃き清められたかのように群衆が妨げず、真っ直ぐ一直線に伸びている。

「はい、どうぞお納めください。」

 楽しそうな、どこにでもある様なワンシーンに思えたのに、正悟はどうしても目が離せなかった。こちらに背を向けた少女の背中に念じた。

──こっちを、

 正悟は自分の心臓が早鐘を打つ感覚を他人事のように感じながら、ただ一心不乱に願った。

──こっちを、向いてくれ。

 その時、ふと少女の連れがとある方向を指さした。少女がそちらに顔を向けた。

 横顔に、正悟は息を呑んだ。

「・・・っ!」

 そこにはあの、焦がれた少女がいた。

 柳の下で出会い、腕の中に招き入れ、手放したのは何年前だったのか。おそらく三年は経っている。

 そう、正悟は三年間、考えた。

 諦めきれるなら、諦めるべきだと。自分は色恋沙汰に対して驚くほどうまく事を運べない。誰が相手であろうとも結果は同じ。後に残るのは安堵と疲労と自由。少しの新しい関係性と人間としての機微、多くの不快な感情と制約。

 意味があるのかと問い、明晰な頭脳から答えを否と導き出した。それなのに。


 それなのに正悟は、彼女と、出会ってしまった。


 忘れられない。どうしても。合理的思考が聞いて呆れるくらい、融通のきかない感情を持て余す。衝動となって正悟を脅かす。不随意なそれが、身を引き裂きそうになる。

 あの時彼女に告げた。今はいいと。よくもそんな言葉が吐けたと、あの時の何も分かっていなかった自分を殴り付けたくて仕方がなかった。

 こんなにも、正悟自身が誰かを求めることなど、なかったというのに。

 見つけたくて、見つけられなくて、忘れられないのに、忘れたくて。

 気付けば三年だ。諦めるには十分、諦観さえ抱いていたのに、何故この時に。

 しかし、先ほど友人が言っていた言葉を思い出し、珍しくも非現実的なことで正悟は自分を納得させることにした。


 そうか、貴女が『ソライロアサガオ』なのか。

 

 気付いた時には正悟はもう、少女に声をかけていた。

「・・・もし。」

「・・・!」

 少女が息を詰め、振り返る。その目が大きく見開かれ、一瞬覚えているのかと期待をするが、正悟を視認した少女は今まで浮かべていた笑顔が嘘のように諦めきった表情になって下を向いた。

「・・・申し訳ありません、どなたでしょうか?」

「貴女が『ソライロアサガオ』なのか?」

 貴女が、運命の相手と結びつけるという少女なのか。

 万感の思いを込めてそう尋ねると、少女が顔をそっと上げる。その時、正悟と少女の間に細身の影が割って入った。

 短く切られた明るい黒髪と、厳しく釣り上った大きな瞳が印象的な理知的な印象の少女。背に庇った少女と同い年に見える彼女は、同じような袴姿でありながら勇ましさと苛烈さを醸し出し、自分よりもずっと背の高い正悟を睨み付ける。

「ちょっと、邪魔しないでくれる? こっちは忙しいんだからさ。」

 口調も姿に違わず随分と高圧的だ。初対面の人間に対する対応ではない。自然、正悟の眉間に皺が寄ると、それを見た庇われている形の少女が慌てて自分の目の前の少女の肩に手を乗せる。

「光流さん、あの」

「君は黙ってて。毎回毎回君のことで私の手を煩わせないでよね。」

 言い方はきついが、籠っている感情は正悟の不快さを減らすには十分だった。

「その、おそらく一瞬で済みますので。」

「そうじゃなくて・・・」

 なおも諭そうと振り返った少女に、何か決意を秘めた表情の少女が笑って見せる。正悟があの時見ることの叶わなかった、それでも同じように何かを訴える笑顔。

「・・・早くしてよね、汽車が出ちゃうんだから。」

 少女たちの間でどんな無言のやり取りがあったのか、そっと息を吐いた短い髪の少女が踵を返して駅の中に入っていく。正悟に一瞥をくれた目は、親の仇を見るような、殺意の籠った瞳だった。

 あんなに目がうるさく物を語っている人間も珍しいなと思って見送る。その時、さっきまでの異常現象が納まっていることを自覚した。

 もみくちゃにされそうな人混みも、周りの音も、おかしなところは何もない。変だなと内心首を傾げていると、少女が非礼を詫びながら、正悟を見上げてきた。

 そこにはもう、正悟が知る弱々しい影は微塵も見当たらなかった。

「御用向きはいかなることでしょうか?」

「俺と付き合ってくれないか?」

 正悟は、自分の口からそんな言葉が出たことを奇跡にも近いと思った。

 心臓が口から飛び出てしまうのではないかと思うほどの緊張。何時間も放置されるような羞恥と顔に集まる熱、足元はいやに冷たい。そんな支離滅裂な感覚が一気に襲ってくる。

 実際には数秒の後、少女は口を開いた。

「・・・はい、承りました。」

 それは男を取っ替え引っ替え遊んでいるとばかり思っていた少女の声と表情では決してなかった。まるで何も知らないような無垢な笑顔、それなのに何度も繰り返した単調な仕事をまた行うような深い諦めのこもった声。そのアンバランスさに、正悟は焦る。

 彼女を早く、自分のものに留めたいと。

「俺は正悟。貴女は?」

 あの時のように。

「華・・・です。」

 今はいいなどと、言えるはずがないのだから。


──お前一人にわしゃ惚れた


 貴女が俺の初恋だ。運命の相手と結んでくれるという『ソライロアサガオ』の貴女ならば、俺と貴女を結んでくれるのだろうか。


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