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第三十二話:真実はいつも一つ・・・とは限らないように見えて実はいつも一つ・・・いや、でも~

前回に引き続き・・・・・・




美紀、すもも、マリン。


三人が『世界』から召集を受ける少し前のこと。


「どうして、藤堂くんが魔法を使えるの?」


そう言ったのはマリアである。


誰に問うでもなく、ただ疑問を口にしているだけなのだが――。

 

「赤色と青色を混ぜるとどんな色になる?」


 唐突に、グリシーヌは言う。


 「なんやの突然?」


 それに答える虎之助は心底不思議そうに首を傾げて聞き返す。


 「何色って、紫色ちゃうん?」


 「ああ、そうだな」


 「せやろ?」


 「うむ。では、その紫色に白色と緑色、茶色、黄色とそれからそうだな・・・肌色を足すとどういった色になると思う?」


 「えーと・・・何色になるん? なんやごちゃまぜになりすぎ取ってよーわからんわ」


 「そうだな。私もよくわからない。実際にやってみればどんな色になるのかはわかるのだろうが、そんな面倒くさいことをしようとは思わない」


 「あの・・・結局グリシーヌさんは何が言いたいんですか?」


 そう聞くきぬに、グリシーヌは、


 「白色に赤を混ぜるとどうなると思う?」


 「え? うーん、えーと、白っぽい赤色ですか?」


 「そうだな」


 そう言ったグリシーヌは美紀を指さして、


 「美紀は青色で、竜也は白色。さて、この場合は?」


 「え、え?」


 急に話を振られた美紀は軽く混乱する。


 「えーと、白っぽい青・・・ですか?」


 「そうだな。それがただの色であるならば何の問題もない。竜也は魔法が使えない。魔法が使えないということは、魔法の素養がないということだ。産まれたての赤子でも、何かしらの魔法の素養を持っている。だが、一切の魔の素養を持たない竜也がその身に同時に二つ以上の魔を受けたとするならば――そうだな、色ならば先ほどのように互いに混じり合うだけで終わるが、竜也は人間だ。そして人間には限界値ともいうべき許容量がある。『風』と『氷』。二つの魔、それも互いが『王』の名を冠する魔法使いが放った魔法をその身に浴びれば、良くて死、悪ければ存在が消滅してしまってもおかしくはない」

 

グリシーヌのその言葉に、


 美紀、すもも、虎之助、そして・・・

 


 

 

 







 モーガン・フリー○ンが凍りついた。



 四人の脳裏に、『風の王』ジェイハン・シュトリームの楽しげに笑う声が蘇る。



 


 『そうそう、『神王』の胸には僕からのプレゼントを埋め込んであるから! いやー、楽しみだよ! 『王』が『王』で無くなる瞬間がさっ!』






 そして、美紀が放ち、竜也の胸を貫いた氷の槍。







 「マスターの中に宿る『神王』が、マスターを生かそうとその力を覚醒させた結果――」


 「竜ちゃんの自我は眠り、『神王』が目覚めたのよ」


 ここで久々登場のシリアスモードなマリンさん。


 いつものような柔らかい表情はなりを潜め、真剣な声で語る。


 「『神王』の力は闇。全てを飲み込み、全てを壊す凶悪な力」

 






 「そう、今の彼には魔法は通じないよ」







 エドアルド・クリスティーとは違う、軍服姿に顔を黒いフェイスガードで覆い隠した怪しい人物が低く、笑いを押し殺したような声で言った。




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