第三十一話:目覚めの時は来た・・・・かな~?
今回の話は、今までと違って少し・・・。
ストーリー上
仕方がないとはいえ、今までと温度差が・・・。
「神に祈る間をやろう」
初老の男性から発せられた重低音が、暗闇の中に響き渡る。
「・・・・・・」
男性と相対している人物は闇に紛れており、その姿を確認することは叶わなかったが、彼には、自分が今誰と戦っているのか分かっていた。
「情けない。お主はそれでも王を名乗りし者か!」
初老の男性の名は、ゾルドック・アイバーン。
イタリアに籍を置いている彼は、『土の王』として、世界に名を馳せているが、彼は土の魔法を滅多なことでは使わない。
例えば、先日異界の魔獣がロンドンの街に出没した際、ゾルドックに救援要請が出たが、その時でさえも、彼は己の最も得意とする土の魔法を一切使わず、己が拳一つを武器に魔獣を討伐するという異業を達成させている。
そんな彼は今、普段から私服としても好んで着ている修道服がボロボロに破けて、上半身は裸体を晒し、下半身はつい先日ユニ○ロで購入した新品のジーンズが、文字通りダメージジーンズと化している。
ゾルドックは筋骨隆々とした歳に似合わぬ肉体を裂傷させられ、もはや虫の息状態であるにも関わらず、不敵な笑みを相手に向けた。
「王の名が泣くぞ。若き神王よ。あの魔女が貴様を育て上げていると聞いて、どのような者かと思えば、何のことはない。ただの小僧だったとは・・・」
そう言って、ゾルドックは一度目を閉じ、意識を集中させ始まる。
「我が双腕の宿れ、土の精よ。汝たちの猛る息吹を我が肉体へと化せ」
大きく両腕を宙に翳し、ゾルドックは土の魔法を唱えた。
「お主の意識を、この私の魔法で覚まさせてやろう!」
ゾルドックは両腕を黄金色に染め上げる。
片腕だけで黄金十トンはあろうかという重量だが、直に全身全てが黄金色の輝きに染まりあがった。
「行くぞ!」
『土の王』ゾルドック・アイバーンが意識不明の重体に。
その報は全世界に衝撃をもたらした。
『王』の名を冠する魔法使いが、ということもあるが、その事態を引き起こしたのが同じく『王』であり、少し前までは全世界の人間が認める世界最弱の落ちこぼれであった藤堂竜也がもたらしたことが原因であったからだ。
『王』の一人が重傷という事態を重く見た『世界』は残る『王』たちへと召集を掛けることに。
『氷の女王』
『炎の女王』
そして、
『魔王』
この三人が籍を置いている、日本という小さな島国。
そこに、『世界』は『王』たちを集めることにした。
『闇がたゆたう。混沌は生と死を生む。我、名を神王。我が司りし力は闇。闇を払しょくせしめる力はこの世には存在せん』
藤堂竜也は『世界』を敵として定めた。
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