番外編~第五話~:朝比奈きぬさんの悩み(前編)
ペルソナ5はいつ頃発売されるのだろうか?
そんなことを考えている作者です(笑)
では、番外編をどうぞ。
朝比奈きぬの悩み。
竜也がいない間、寂しい、もとい暇だった私は、マリンの提案で虎之助、マリア、きぬ、すもも、と親交を深めることとなった。
昨日、一昨日と、虎之助、マリアと親交を深めてきたわけだが。
虎之助は・・・アレは変態と呼ぶべき存在なのか?
いやいや、あんなのでも竜也の親友だ。
恐らく、来るべき日の為にうつけを演じているだけなのだろう。
本物のうつけである可能性はかなりの高確率だが。
マリアはとても良かった。
あの娘はもうパーフェクトだった。
あの娘の趣味は・・・少し怖かったが。
では竜也のクラスメートで、残る最後の一人、きぬはどんな人間なのだろうか?
そういうわけで、私は今、きぬの部屋にいる。
九時。
「―――というわけだ。今日はよろしく頼む」
「はい。よろしくお願いします」
「む?」
「どうかしましたか?」
「いや・・・」
きぬは人好きのする笑みを浮かべて私を見て言う。
ううーむ。
何かが変だ。
初めてきぬを見た時と、今とではどこかきぬに対する印象が違う。
何が違うというのだ?
ううーむ。
「グリシーヌさん」
「どうした?」
「今日、グリシーヌさんが私の部屋にお越しになられた用件は先ほど伺い存じ上げております。グリシーヌさんは私のことを知ろうとしてくれているんですよね?」
「うむ、そうだ」
「でしたら、私はどうしていればよろしいでしょうか? 何かグリシーヌさんのお尻になられたいことで、それが私に答えられることでしたら何でもお答えしますけど」
ううーむ。
やはり、どこかきぬに違和感を感じてしまう。
はっ!
もしや、目の前にいるこのきぬは偽物なのか!?
いつの間にか本物と偽物が入れ替わっているというのか!?
だとすれば、本物のきぬは何かの事件に巻き込まれてしまった・・・と?
私がそう考えていたときだった。
コンコン。
「朝比奈さん。今、少し時間いいかな?」
ドアを叩く音の後に聞こえてきた声は、陵聖学園の理事長である牛丸普利男のものだった。
「はーい! 今行きます。すいませんグリシーヌさん。少し失礼しますね」
「わかった」
私がそう答えると、きぬはドアに向かっていった。
ううーむ。
私はきぬに対し、何故このような違和感を感じているのだろうか?
謎だ。
「いやー、すまないね。こんな朝の時間帯に。きぬくんにどうしても急ぎで確かめてもらいたい書類があってそれで――」
「ごたくはいいからさっさと用件だけ言えこのやろう」
きぬは力を溜めている。
「え? ああ、すまない。その――」
モーガン・フリー○ンは驚いている。
「おいこら、ちょっと待て。すまない? ごめんなさい・・・だろ?」
きぬは更に力を溜めている。
「あ、ああ――」
モーガン・フリー○ンは動揺しだした。
「ひょっとして、ちょっとモーガン・フリー○ンに似ているからって調子に乗ってんじゃないですよね?もしそうだとしたらどうしましょうか?」
きぬは力を溜めながら、更に呪文を唱えだした。
「私はどうされてしまうのですか?」
モーガン・フリー○ンは怯えている。
「あれ? 知りたいですか?」
きぬは残酷な笑みを浮かべてモーガン・フリー○ンを見つめた。
「あ、そのー、ああ! すまない! 用事を思い出したよ! いやー、歳を食うと物忘れが激しくなっていかんね! き、今日はもう失礼するよ! 書類の件は後日マリン先生にでも頼むとするかな~」
モーガン・フリー○ンは逃げ出した。
「さっき急ぎで確かめてもらいたいと言ってましたよね?」
しかし、回り込まれた。
「それは、その・・・」
モーガン・フリー○ンは再び逃げ出そうとしている。
「もしかして、書類云々は口実で、本当の目的は私のようなか弱い女子生徒をその毒牙に掛けようとしていたとか? 理事長先生がそんな最低の人間だったなんて・・・。仮にも聖職者である人間がそんな・・・」
きぬは力を溜め、呪文を唱えながら携帯電話を取りだした。
「そんなことをするわけがないじゃないかー。というか朝比奈さん。何故君は今携帯電話を取り出しているのかな? 何故、ボタンを押し始めるのかな? 何故、ボタンのプッシュが三度なのかな? 何故・・・」
モーガン・フリー○ンは今度は無言で逃げ出した。
「もしもし警察ですか? 今私の目の前に理事長を名乗る変質者がいます。大至急逮捕した上で、豚箱に放り込んでください。出来れば死ぬまで」
しかし、モーガン・フリー○ンは再び回り込まれた上に、国家権力を呼ばれてしまった。
「違う! 違うよ! 私は生徒に――女性にそんな邪な気持ちを抱く人間ではないよ!」
モーガン・フリー○ンは反撃を試みた。
「そ、そうだったんですか。それは・・・その、すみません。変な勘違いをしてしまいました」
きぬは国家権力を呼びだすことをやめた。
「わかってくれたのかい!? そうか、そうか! いや、わかってくれたのならいいんだよ! 私もすまなかったよ! 大きな声を出して――」
モーガン・フリー○ンは油断した。
そして、不意を突かれた。
「いえ、こちらこそすみません。まさか、理事長先生が、同性しか愛せない、そういった組合の方だとは・・・」
きぬは今まで溜めに溜めていた全ての力を解放した。
「・・・は、はははぁぁぁぁ」
モーガン・フリー○ンは壊れてしまった。
うむ。
間違いない。
アレは本物のきぬだ。
ご意見、ご感想などがあれば是非お待ちしておりま~す!!
ではでは~