番外編~第四話~:黒崎マリアちゃんのお友達(後編)
突然ですが、私こといふじは水樹奈々さんのファンです。
ですが、ライブには一度も行ったことがありません。
CD、DVDを購入するので精一杯なんだよ~!!
一度はライブを観に行きたいものです・・・。
あ、すいません。
番外編、は~じま~るよ~!!
十五時。
五時間が経過した。
「・・・これはとてもキュート」
そう言ってマリアが見せてくれたのは、どこからどう見ても、ザ・わら人形。
それも、使用済み率120%。
怨念がいっぱい詰まった釘付きの豪華仕様。
「・・・富士の樹海で一週間かけて探し出した」
使用済み+ブランドもののようだ。
マリアは、どこか誇らしげに言う。
そのマリアは褒めて欲しそうに私を見つめてくる。
「う、うむ。マリアはすごいなー」
「・・・えへへ。あなたは良い人」
私はマリアの、呪いのアイテムご紹介ツアーを五時間ぶっ続けて、たっぷり堪能させられていた。
「・・・だから、あなたのマスター、藤堂くんも良い人」
「当然だな! 竜也ほど素晴らしい男は、この世の中のどこを探しても見つからないだろう!」
「・・・質問いい?」
「いいぞ」
「・・・藤堂くんは優しい?」
「ああ!」
「・・・そう。それなら安心」
「何が安心なのだ?」
「・・・・・・・・・・・・何でもない」
そうは言うが、何でもなくはなさそうな表情をしているマリア。
具体的には、頬を少し赤らめている。
「大丈夫か、マリア?」
「・・・大丈夫」
さらに赤く頬を染めるマリア。
本当に大丈夫なのだろうか?
「・・・三時のおやつ」
と、唐突にそう切り出して、マリアはパチンと指を鳴らす。
すると、マリアが愛おしそうに抱きしめていた呪いの人形ゴメスの体が、激しく揺れ始めた。
体が一揺れするたびに、髪が少しずつ伸びていく。
うむ。
幻想種である私が言うのも何だが、幽霊って本当にいるのだな。
正直、気味が悪い。
「・・・今日はアップルパイが食べたい」
『わかりましたわ。では、不肖このゴメスが世界で最高に美味なアップルパイを、マリア様の為にご用意致しましょう』
ゴメスが喋った。
もう、呪いなんてレベルを超越してしまっている。
『失礼ですが、グリシーヌ様もマリア様と同じものでよろしいでしょうか?』
ゴメスが私の名前を知っていた。
知らぬ間に、私は呪われていたらしい。
竜也、頼むから早く帰ってきてくれ。
私は今、本当にあった怖い話を身を持って再現している。
「う、うむ。よろしく頼む」
『畏まりました。では、少々お時間を頂きます』
言って、ゴメスは厨房に向かって歩き始める。
そのゴメスの後ろを、マリアの秘蔵コレクションズが続く。
あー、何と言ったかな。
「そうだ、百鬼夜行だ」
「・・・何が?」
私の独り言に、マリアは不思議そうに首を傾げていた。
十九時。
『さあ、グリシーヌ様。どんどんお食べください! 今日はマリア様が人生で初めてお客様をお迎えになった記念すべき日です! どんなお料理でも、この私がリクエストにお応え致しますわ!』
テーブルに並べられた料理を前に、そう言うゴメス。
どうやって作ったのだ?
というか、小さな人形が料理を作るというのは、物理的に無理なのでは?
「・・・恥ずかしい。ゴメス、恥ずかしい」
『まあまあマリア様ったら! 大事なことですから同じことを二回言ったのですね! さすがはマリア様ですわ! このゴメス、感服致しました!』
呪いの人形とマリアの会話。
何度見ても慣れるものじゃないな。
『グリシーヌ様』
急にゴメスに話を振られてしまった。
「な、何だ?」
『本日は、本当にありがとうございます。マリア様には、その、お友達があまり――いえ、まったくおられなかったのですが、今日のマリア様は本当に楽しそうでした。これからも、マリア様のことをよろしくお願い致します』
「ああ。こちらこそ、竜也共々仲良くしてもらいたい」
存外、ゴメスは礼儀正しかった。
「・・・ゴメス、嘘は駄目」
『マリア様?』
「・・・友達なら、ゴメスや皆がいた」
言って、マリアはゴメス+百鬼夜行ズを見つめる。
『まあまあまあまあまあっ! な、何ともったいないお言葉を! ありがとうございますわ、マリア様! しかしですね、私どもは、お嬢様の魔力供給によって動いているに過ぎない人形ですから――』
何だ、魔法だったのか。
呪いや、霊的な何かで動いているわけではないのだな。
そう思っていると、
「・・・そんなことを言っては嫌」
マリアは瞳に涙を浮かべながら言った。
『もももももももももも申し訳ございません! 私が間違っていましたわ!! ですからお泣きにならないでくださいまし!!』
慌てふためくゴメス。
そんなゴメスに続いて百鬼夜行ズも、
『マリアたま~』
『泣かないで~』
『ごめんなさい~』
そう言う。
うむ。
心温まる光景か、あなたの知らない世界なのかわからない光景だな。
「・・・わかってくれたなら、いい」
『はい。申し訳ございません』
「・・・あの」
言って、私を恐る恐る見てくるマリア。
「・・・私とお友達になってくれる?」
「何を言う。既に私たちは友人だろう。竜也も、虎之助も、きぬも、すももも、マリンも、皆マリアの友達だろう」
私の言葉を聞いて、マリアはきょとんとしていた。
「・・・そうなの?」
「そうだろう」
「・・・そうだったら、とてもうれしい」
花が満開に咲く瞬間のような、そんな素晴らしく愛らしい顔で笑うマリア。
ぬう。
何と愛らしく、それでいて保護欲を掻き立てる笑顔!
あまり感情を表に出さないと思っていたマリアだったが、そんなことはないようだ。
「・・・ゴメスや皆ともお友達になってくれる?」
『あら、まあまあまあまあまあまあまあまあまあまあまあっ!! 私どもともお友達になってくださるのですか!?』
「う、うむ! 望むところだ!」
返事を返すのに、最終決戦に臨む覚悟が必要だった。
しかし、そんな決死の覚悟で返事をしたとは、うれしそうにはしゃぐマリアたちを見てしまってはとても言えなかった。
今日わかったことは、マリアはとても素直で可愛らしく、愛らしい女の子だということ。
趣味は少々――いや、かなり特殊だが。
さてさていかがでしたでしょうか?
次の番外編は誰を書こうかな~?
まだ、次の話を番外編にするか、本編を進めるかは決めていないのですが(笑)
ご意見、ご感想などがございましたら、是非ともお待ちしておりま~す!!
ではでは~!!