第十四話:シェフ自慢のフルコース料理~これであなたも夢追い人~
どうも~!!
ここまでお付き合い頂いた皆さま!
本当にありがとうございます!
え? これで終わりなのかって?
いえ、まだまだ続きますよ?
お礼が言いたかっただけです。
では、本編をどうぞ!!
教室を出た俺たちは食堂へと向かった。
食堂は校舎の外にあるということなので、すもも先輩に連れられ外に出る。
校舎の外には水瓶を肩に担いでいる女性の像があった。
その像は大きな丸い噴水の真ん中で心地よい音を鳴らし水瓶から水を流していた。
そのすぐそばには色とりどりの庭園が広がっていた。
どこまでも豪華な学校だ。
俺たちは庭園を抜けて赤い絨毯が敷かれた長い廊下を歩いて行く。
「はい到着! ここが食堂だよ!」
言ってすもも先輩はこれまた高価そうな木製の扉を開いていく。
食堂内は豪華なシャンデリアが明かりを灯し、確認する限りテーブルは五十以上あった。
その一つ一つのテーブルには皺一つない真っ白なテーブルクロスがかけられていた。
呆気にとられている俺だったが、
「いらっしゃいませ」
そんなありえない声で迎えられた。
「マリン様からご予約を承っております。さあ、どうぞこちらへ」
と、俺たちにうやうやしく頭を下げて言ったのはウェイター服を見事に着こなしている、感じのいいダンディーなおじさんだった。
顎鬚を申し訳程度に生やしているおじさんはにっこり笑って俺たちをテーブルに案内してくれた。
長方形の長いテーブルにはアンティークショップなどで見られる天使の像やオルゴールがあり、テーブルにあるオルゴールがこの場にあった音楽を流していた。
「どうぞお席のほうへ」
テーブルにはマリンさん直筆のネームプレートが置かれており、すでに俺たちが座る場所は決められていた。
テーブルのちょうど真ん中の位置に『竜ちゃん』左に『ひーちゃん』右に『お姉さん』反対側に『すーちゃん』『きーちゃん』『まーちゃん』『虎ちゃん』の順だ。
「失礼します」
人数分のメニューを各自の前にそっと置いてくれるおじさん。
「お決まりになられましたらこのベルを鳴らしお知らせください」
言ってベルをテーブルに置くと、おじさんは去って行った。
「さて、マリンの姐さんがまだだけど先に注文しとこうか! 私はダージリンねー! みんなは?」
「私はアールグレイを」
「私も柊先輩と一緒でアールグレイで」
「・・・・・・気まぐれミックスジュース」
「俺は本日限定極うまコーラ! 竜也はなんや?」
「み、水・・・」
「は?」
と、全員から聞き返された。
「俺は水でいい」
「水って・・・なんか頼めよ」
「無理。金無い」
ぐう~!!
突然俺の腹から空腹SOS信号が鳴った。
そういや今朝はなんにも食べてなかったな。
いつもは朝飯をマリンさんが魔法で運んでくれていたけど今日はマリンさんが殺人未遂事件を起こして朝飯どころじゃなかったからなー。
そんな俺にみんなの哀れむような視線が突き刺さる。
「そうかいそうかい。よしよし、それじゃあ藤堂くんは水でいいんだね? そんじゃあ呼ぶよ?」
言ってすもも先輩はテーブルに置かれた鈴を取り、ちりん、ちりんと鳴らす。
「お待たせしました」
さっきのおじさんがやってきた。
「えーと、ダージリン一つに、アールグレイ二つ、気まぐれミックスジュース一つと、本日限定極うまコーラ一つ」
「かしこまりました」
「あ、あと藤堂くんには『シェフ自慢のフルコース料理~これであなたも夢追い人~』をお願いします!」
「かしこまりました」
おじさんは俺たちに深々とお辞儀をして去っていった。
「せ、先輩! なに勝手に頼んでるんですか!? 俺金無いって言ったでしょ! しかもよりにもよって高そうな料理を頼むなんて!」
「まあまあ落ち着きな! 大丈夫だから! お金が無いのは君だけじゃないさ! 私も君と同じ文無しさ! お金が無くてもなんとかなるよっ!」
「は? なんとかなるってなるわけないじゃないですか!」
「大丈夫だって!」
「なにを根拠にそんなこと・・・」
「だってここいくら食べても飲んでも全部タダだから」
「え? いまなんて・・・?」
「だからー、メニューに書いてあるの全部タダなの! よかったね! あ、ちなみに寮には朝食、夕食両方完備だぜ! びゃはははは!」
と、なにが楽しいのか大笑いしだすすもも先輩。
つーかここ食堂だよな?
普通の食堂は列に並んで注文して、料理を受け取る。
このプロセスだ。
だがここは違うみたいだ。
そもそも飲み食い全部タダな店なんて世界中どこ探してもないだろ!?
「お待たせしました」
注文してから数分も経っていないのにおじさんは全ての品を持ってきた。
これはもうイリュージョンだ。
「おーきたきた! そいじゃあいただきますかね!」
言ってすもも先輩は紅茶の香りを楽しむように匂いを嗅ぎ、そして一気に流し込んだ。
「おじさんおかわり!」
おじさんはにっこり笑って、去っていく。
「すもも、もう少し落ち着いて飲んだら?」
「美紀さんよ・・・。時間は待っちゃくれねーぜ?」
意味がわからなかった。
まあいいか。
俺も腹減ったから食べよう。
もぐもぐ。
「うまい・・・」
「ありがとうございます」
横からぬっと顔をのぞかせたのは、おかわりを持ってきたおじさんだった。
おじさんはそれだけ言うとまた去っていった。
そんなこんなで俺たちは各自食事を楽しんだのだった。
キャラ設定の公開なんてものをしていこうかどうか迷っております。
そんなのいらないよ?
と言われる方もおられるかもしれませんしね。
どうするかはまだ決めていないのですが(笑)
感想などございましたらお待ちしております!!