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第十一話:入学式はニヒルで閉める。それがモーガンクオリティ~

前回までのあらすじ。


まかせんしゃい。


それでは本編をどうぞ~!

新入生の名前が次々と呼ばれている。


式が始まってからもう五十分は経過しようとしていた。


だというのに、藤堂くんの名前が呼ばれないのはどうしてだろう? 


もうすぐで式が終わるのにどうして?

 

「いないなー」


 はあー、どうして私ったら藤堂くんにあんなこと言っちゃったんだろ? 


今日は、その、もう恋人でもなんでもないけれど、上級生として藤堂くんをここまで案内してあげたかったのに。


それなのにマリン先生が『竜ちゃんなら大丈夫だから~、みーちゃんはお姉さんと一緒に行くの~! みーちゃんが一緒に行ってくれないと~、お姉さん悲しいな~! 悲しくて~、悲しくて~、お姉さん泣いちゃうかもしれないよ~!』なんて言って私をここまで連れてくるんだもん。


これでもう藤堂くんと話をする機会が無くなってしまったわ。

 

「矢吹虎之助」


 「はい」


 矢吹? 


あの子も陵聖に来たんだ。


まあ、あの子なら当然か。

 

「以上、百二十名の生徒が今年の新入生です。二年生の皆さんは新入生が快適なスクールライフを送れるように助けてあげてください。新入生の皆さんもわからないことがあれば、私たちや先輩に遠慮なく訊ねてください」


 ちょっと待って! 


以上ってどういうこと? 


まだ藤堂くんの名前が呼ばれていないわ!

 

「新入生の皆さん。これで、一応入学式は終わりです」


 理事長先生・・・終わってないですよ。


まだ藤堂くんの名前が呼ばれていません。


魔法が使えないとわかっていたから私が藤堂くんを連れて来ようと思っていたのに。


そもそも魔法もなく、寮からここまで来れるわけがないじゃない! 


マリン先生はなにを考えていたのかしら。


新入生たちは緊張の糸が切れたのかホッとしたようにあちこちで話しをしている。

 

「えー、一応式は終わりなのですが、少々事情がありまして皆さんにはもう少しその場で待機していただきます。くつろいでいて構わないのでもう少しだけ付き合ってください」


 よ、よかった・・・。やっぱり理事長先生は優しい人だわ。


 「くっくっく・・・美紀」


 赤いショートカットに綺麗な小麦色の肌の私の親友が声をかけてきた。


「なに?」

 

「さっきから誰を探しているのかな~?」


 「べ、別に誰も探してなんかないわよ!」


 「へ~、そう。あっ、そういえば藤堂くんの名前呼ばれなかったね~。どうしてだろ?」


 「す、すももがどうして藤堂くんの名前を・・・」


 「えへへー、マリンの姐さんから聞かされてね~!」


 「もう、マリン先生ってば・・・」


 ズシンッ!


 とんでもない音が体育館中に響き渡った。


 「えっ!? 今の音はなに!?」


 ギュオオッ!


 巨人の悲鳴のような音を上げてなにかが壊された。


そのなにかは天井から射す太陽の光のおかげで壊されたのが体育館の屋根であるということに気づけた。

 

「お、おいっ! なにやってんだよ!」


 「なにとは?」


 「どうして屋根を壊してんだよ! これがグリシーヌの言ってた秘策なのか!? もっと穏便に・・・」


 「すまない竜也。しかし、どうしても先に始末しておかなければならない人間が一人いるの

だ。それさえすめば穏便に事を運ぼう」


 「ちょっと待てー! 今、始末って言わなかったか!?」


 「言ったがそれがどうかしたか?」


 「そんな物騒な言葉使っちゃいけません!!」


 「むう・・・それは命令か?」


 「お願いだ!!」


 藤堂くん・・・よね? 


どうして藤堂くんがドラゴンなんて空想上の生き物といるの? 


これは夢?

 

「びゃははははっ!」


 夢じゃないみたい。


それにしてもすももはこの事態によくいつものバカ笑いができるわね。


みんな天井から顔をのぞかせている黒いドラゴンに震えているのに。

 

「ひいいっ! アイツはあのときのドラゴン!! どうしてあの男と一緒にいるんだ!? ま、まさか僕を・・・」


 どこからかそんな声が聞こえてきた。


誰?


「見つけたぞ!!」

 

「ひいいっ!」


 「貴様! よくも竜也にあのような危険な真似をしてくれたな! 貴様の罪は万死に値する! しかも貴様は竜也に対して数々の屈辱的な暴言を吐いてしまった! もはや生かしてはおけぬ! 魂まで消し炭にしてくれる!」


 「ゆ、許してください!!」


 「許さん!!」


 グリシーヌの目が完璧に殺る気だった。


 「グリシーヌ! 人殺しは駄目だって!」


 「一人なら問題あるまい?」


 「数の問題じゃないの!」


 「むう・・・そうなのか?」


 「当たり前だろ!」


 俺がグリシーヌにそう言い聞かせていると、体育館の壇上からマリンさんが声をかけてきた。


 「竜ちゃん遅い~!」


 そうだった! 


俺の入学取り消されてたんだった!

 

「グリシーヌ! 秘策ってやつで俺の入学取り消しをなんとかしてくれ!」


 「よし」


 グリシーヌはそう言うとルビーの瞳を体育館にいる生徒たちに向けて言った。


 「聞け。竜也の入学を認めろ。さもなくばこの場の全員・・・いや、マリン・ヘッケル以外

の人間を殺す。さあ、どうする?」


 「バカー! だから人殺しなんて駄目だって言ったでしょ!?」


 「グーちゃ~ん! 竜ちゃんの入学取り消しなんて嘘だから~、そんな怖いこと言っちゃ駄目だよ~?」


 「う、嘘・・・?」


 「うん! 嘘なの~! 竜ちゃんごめんね~! こうでもしないと~、竜ちゃんのホントを見れないから~」


 俺のホント?


 「竜ちゃんは~、今日から陵聖学園の一年生だよ~!」


 「藤堂竜也くん」


 モーガン・フリー○ンが俺の名前を呼んだ。


 「以上百二一名。これで今年の新入生が全員揃いました。それではこれで第二回陵聖学園入学式を終了します」


 言って、ニヒルな笑みを浮かべるモーガン・フリー○ンは少しかっこよかった。


ふう~。


なんとかかんとか、二話続けてお届けすることが出来ました!!


読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます!!


感想などございましたら是非に~!!


では、これにてご免!!!

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