拾伍話
数週間後、佐奈からある任務が渡された。最近発生している、路地裏殺人(仮)の製造元の潜入任務だそうだ。細かく言うと、事件に使用されている薬物の回収、そして回収品以外の処分、製造元の破壊が主な任務だということだ。
そして今回、俺とルーベ、美河、陽菜の四人で向かった。工場は、広くそれぞれ分担してサンプルの回収と爆破用の爆薬を設置しつつ回った。
「しっかし、こんなところにあるのかな~ 製造ラインだけどそれらしいものは一切ない 倉庫班の方が当たりか?これは……」
(それに、警備ロボが巡回してるな あんまり派手には動けないな)
倉庫にて陽菜と美河は、薬品の捜索、回収を行っていた。私が探している間、猫スケは警備ロボをバンバン壊して回っていた。
「ねぇねぇ、ルナ姉ちゃんもやらない? 結構楽しいよ~」
「やらない あんまり派手にやるとすぐに見つかるだろ あったあった 使われたのと同じ薬品 それと、もう少し静かにできないか?」
「えぇ~ まぁ、脆いし飽きちゃったしいいか それにしても思った以上だね 段ボール山積みだもん」
「そうだな あんまり長居はしない方がよさそうだな」
「私もそう思う あんまりいい匂いしないし それに足音も」
「さっさとずらかるか」
俺とルーベは、先に合流し工場全体の捜索を行った。できれば、薬品の資料か何かを入手できればよかったが何も成果はなかった。 大人しく、撤収した方がよさそうだった。
俺らが爆薬を仕掛け終えた、その時ある方向から爆発音がした。それを聞いた俺らはすぐさま倉庫にへと向かった。その頃、倉庫では……
「聞いてないんだが…… こんな、警備がいるなんて」
「早く終わらそ 多分お姉ちゃんが来ると思うから」
「りょーかい」
猫スケは、すぐに大柄な男の警備に向かって攻撃をやった。しかし、効いている様子は一切なく完全に防がれている状態だった。私は、拳銃を構え、警備に向かった発砲した。距離はそんなに離れてはいないから外すことは無いと思ってた。しかし、軽々とかわされ驚いた。
「まじかよ 図体のわりに身軽過ぎじゃねぇか?」
「どうするの? 持ちそうにないけど」
「仕方ない 爆弾自体、設置は終わってる 今回は、引いた方がいい 長引かせてもこっちが不利なだけだ」
「うん」
「煙幕を投げた瞬間、上に上がって逃げる いいな?」
「わかった」
私は、持っていた煙幕を警備の足元らへんに投げつけた。煙は一気に広がり、上手く警備の目を盗めていた。その間に天井の窓から脱出し、その際ほかの二人も発見できたので撤収するように指示した。
そして、一定の距離離れたところでスイッチを押した。爆弾は上手く起爆し一気に工場、倉庫の主要部分をがれきの山に変えた。
「さっきのは、大丈夫だったのか? 爆発音がしたが」
「警備だ 手こずった 居るとは思わなかったし」
「そうだったのか だけど、無事でよかったよ」
「そうか……」
(あの警備いくら何でも来るのが速すぎじゃないか? あそこにずっといたってことなのか どうゆうことだ……)