【祝】ダンジョン突入・後編
登場人物が少ないと話に厚みが無いなぁと思いつつ楽だなと思ってしまうジレンマ
なんでこんなこと言うかというと暫く増えないからです()
2階層 デカいコウモリ ちっこい牙
3階層 緑の小人。多分ゴブリン 石のみ
4階層 オオカミ 毛皮
5階層 武装したゴブリン 剣槍盾
「全部弱い!!」
『仕方ないでしょう?』
帰宅なう。
塔から特に怪我することも無く帰ってくる事は出来た。
色々収穫はあるのだが、俺の期待には沿えていない。
まず第一に、思わず愚痴ってしまったが敵が弱い。
武装したゴブリンは集団戦を意識した動きはしてきたが個体が弱すぎて話にならん。
オオカミはまぁ普通の人間基準なら強いとは思う。
でも弱い。てか脆い。
しかもこいつら倒しても石ばっかり落しやがる。
ただの石ではないのが救いと言えば救いなのかもしれないが・・・
「これっぽちの魔力じゃなぁ」
『これだと流石にねぇ』
怪物を倒す事で、死体が消えると代わりに残される石。
魔力が込められた石だ。とりあえず魔石と呼ぶことに。
魔力を溜められるというのは結構珍しい性質ではあるが、込められらた魔力が少なすぎる。
吸収しても俺の魔力量と比べるとスズメの涙にしかならない。
魔力に目覚めていない人間が使えば違うのかもしれないけど、そんなの試せる人がいない。
「あとなんだこのクソみたいな剣は」
『野蛮で下等な生物が使うにはぴったりね』
「とんでもない罵倒だなおい」
その通りだとは思うけど。
武装したゴブリン達からはそいつらが使っている武器が手に入ることがある。
剣、槍、盾のうちいずれかが落ちる。
だが質がクッソ悪い。まともに使えないレベルだ。
投げて使う消耗品としては使えるかも?
効率悪いわ。
『まぁそちらはおまけみたいなものね。本命は・・・』
「この本だよなぁ」
赤い表紙に目立つように『火魔法入門』と書かれている本。
そう。俺達が考えた推測のうちの一つ。
魔力の扱い方に関する説明書が塔の中で手に入るってのが本当だったのだ。
ゴブリンをヤケクソ気味に倒している間に武器の代わりに手に入った。
恐らくレアドロップというやつだろう。
結構な数は倒したんだが一冊しか手に入っていない。
そして面白いことに、この本のタイトルの一番後ろにある数字が書かれている。
『火魔法入門 2/2』
これが何を意味するのか。
まぁ大体は推測できる。
「使用制限のある教科書ねぇ」
『多分魔導書の一種なんでしょうね。読んだ人間に魔法を覚えさせるタイプの』
「そんなの出来るのか?」
『後世に自分の魔法を残す時には便利なのよ?』
「あー。そういう目的か」
グラディスの知識にもあるくらいありふれた物のようだ。
まぁもちろんグラディスの基準でだが。
つまりこれを読めば俺もついに魔法が使えるようになるというわけか。
うーん。読むか?
『貴方は無理よ?』
「え」
『私がいるから弾いちゃうわね』
「・・・そんなのあったなそういや!?」
グラディスの能力はいくつかあるが、基本普通に生きているうえでは確認しようもない物が多い。
そのうちの一つ。魔法的干渉への完全な耐性だ。
文字通り魔法を使用して俺に何かしようとしても全て無効化出来る。
魔法が効かないわけではなく、あくまでも干渉されない。
火の魔法で起こした火は俺に効くが、俺を直接燃やすような魔法が効かない。
こんな感じで昔に説明を受けたんだが・・・まぁ確かめようがないよな。
何せ魔法を使えるやつがいないんだから。
グラディスは俺の魔力を使って魔法を使えるがグラディスの魔法は俺に普通に効くので結局意味がない。
そんなほぼ忘れられた能力を今初めて実感した。
なんだこのクソ能力。
「俺が魔法を使えるようになる日はいつ・・・?」
『だから教えてあげるって言ってるじゃない』
「勘弁してくれ」
教えてくれるってそれ、学問としての魔法だし・・・
ちゃんと使えるようになるまで軽く10年かかるって何?
あ、そうか。だからこんな本があるのか。
これさえあれば10年が長くても数時間で済むわけだし。
「もっと簡単に使えないの?」
『出来るけど私が許さないわ』
「悲しい」
何だこの魔法ガチ勢。
はぁ。じゃあこの本も文字通りお蔵入りだな。
しっかしこれ俺が出来ない事多いな。
まだ実感してないけどグラディスの能力はいくつかあるし。
せめてそうだな・・・戦闘力があって、俺とまるで違う性質の持ち主が2人くらいいるな。
『物を作れる人も欲しいわね』
「物づくり?何作るんだ?」
『私の思う通りなら、あの中にはポーションの材料があるはずよ』
「ポーションって、怪我とか治すやつ?」
『そうね。今風に言うとただの薬扱いになるのかしら』
「確かに薬とポーションの違いって何なんだろうな」
『魔力の有無かしらね。どうでもいいけど』
他にも武器や防具の制作に使えるであろう素材も手に入るとグラディスは考えているようだ。
今回手に入れた狼の毛皮はおしゃれ服を作る程度でしかないらしいが。
より強い怪物。
それこそ先週倒したミノタウロスやリザードマン何かの素材なら実用的な何かに使えると。
「いいねぇ。スケイルアーマーとか。ミノタウロスの角のナイフとか」
ロマン溢れるねぇ・・・でもさ。
「それお前とどっちが強いよ」
『私』
「デスヨネー」
少なくとも武器は持つ意味ないかなぁ。
特に小さい武器は使う意味も無いだろう。これが身の丈以上の武器なら話は違うんだが。
『それだけ巨大な怪物と戦わないといけないけど?』
「どんだけ下にいるんだろうな・・・」
それこそあれかもしれん。
本当にドラゴンとか倒さないと駄目かも。
「ダンジョンっぽいから、宝箱から出てこねぇかなー」
『ダンジョン?』
「ん?グラディスは知らないのか?」
『貴方がやってるゲームに出てくる奴よね?ああいうので良いの?』
「まぁ似てるからそれでいいかなって」
『そうね。怪物・・・モンスターは出てくるし、色々手に入るしダンジョンで良いかもね』
この時始めてあの塔をダンジョンと呼称するのが決まった。
そしてこの呼び方があっという間に世界に広まっていくのをこの時の俺達はまだ知らない。
「あ、ダンジョンって言えば」
『言えば?』
「美味い物あるかも」
『・・・何言ってるのかしら』
「いや結構ある設定だぜ?」
牛とか豚とかもモンスターが肉を落して、それが美味しいってのは定番だ。
ダンジョン内部に山菜とかあるかもしれんし。
そもそもモンスター自体が美味いってのはよくある話だろう。
『えぇ。聞いたことないわよそんなの』
「オークとか」
『オークを知らないけれど。モンスターを食べようって気がしれないわ』
お前の知識マジでどういう偏り方してんだ。