お泊まり会 その7
「筑紫ちゃん、昼の部ですわよ♡」
「やだぁぁぁぁあ!!!!!!」
楽しい楽しいタコパが終わった後は、三時間に及ぶホラーゲーム配信がまた始まったのだ。逃げようとしてもメイドたちに捕まり泣く泣く始める。
名無しさん:鼓膜がぁぁ!!!!!!!
名無しさん:鼓膜の予備必須
名無しさん:切り抜き案件で草生える
名無しさん:のど飴代あげますね《300円投げ銭しました!》
名無しさん:初投げ銭w
名無しさん:のど飴代てwwww
名無しさん:同接千人おめでとう
「?! 感謝しますわ」
「ありがとおおおおやだあぁぁあああ!!!!!」
叫び過ぎた結果、初となる投げ銭や同時接続数が千人を越えるなどの奇跡を起こしてしまった。これには紗夜も驚き、感謝の言葉を言う。
一方ゲームの進行自体は順調に進んでいた。悲鳴をあげながらもゲーマーとしての勘と本能が働いたのか、仕掛けや謎解きを解くと言うシュールな光景が何度かあったのだ。
そして三時間経った頃、ようやく配信が終わる。投げ銭の金額も何度か投げられた結果千円以上になったのだ。
筑紫は午前と同じように放心状態になり、立とうとすると生まれたての子鹿のように震えていた。
「お疲れ様ですわ。今日の夕食は肉料理にしようと思っていたのですが……」
「……せめてコロッケとかにして欲しいな」
「ですわよね……」
「筑紫ちゃんは休んでてくださいね」
「はーい」
筑紫は椅子に座って見学することになった。肉が見えそうになった時は側に居る華那が目を隠して防いでいる。
紗夜は鍛えられた料理スキルで然程時間は掛からずに二人分のコロッケと、野菜スティックを作った。
「お味はどうでしょうか?」
「うん、美味しい!」
「それは良かったですわ」
叫び疲れていたからか、筑紫は七個目のコロッケでご馳走様をしたがその顔は幸せそうだった。紗夜もそれを見て微笑みながら残りを食べ切る。
お風呂も昨日と同じように筑紫が紗夜に洗われている。だが少し遅めに入ったせいか、メイドたちと入浴時間が被ってしまったのだ。
「筑紫様、私も洗いますよ」
「紗夜だけで十分だよ!」
「分かりましたわ、良いですわよ」
「ありがとうございます♡」
「紗夜?!」
「大人しくしないと目に水が入りますわよ?」
「ちょっくすぐったい!」
「あ、私も混ざりたいです」
結局合計五人のメイドと紗夜に全身を洗われるという事件が起こり、何故か全員に抱えられながら湯船へと連れられる。
そしてゆっくり浸かっている途中、筑紫は隣に居たメイドから小声でこう囁かれた。
「紗夜お嬢様のこと恋愛的に好きなんですか?」
「?! ……嫌いじゃない」
「応援してますね♡」
「やめてよ恥ずかしい……」
ちなみに紗夜にも聞こえていたが、敢えて聞こえなかったフリをしていたのだった。
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