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お泊まり会 その6

「ご視聴……ありがとう……ござい、ました……」


「また次の配信までさようならですわ」


一時間半ほど叫びっぱなしのホラーゲーム配信が終わり、筑紫は放心状態になっていた。メイドたちは直ぐに水や喉飴などを準備する。


「喉痛い……」


「お疲れ様です、まさかここまで叫ぶとは思いませんでしたわ……」


視聴者の数割はイヤホンを投げ捨てたと言うコメントを残すほどには叫んでいた。筑紫の足元はガタガタと震えており腰から下に力が入らなくなっていた。


時刻は十二時手前、昼食の時間なので紗夜からたこ焼きを作ると言う提案が出された。


「これでどうでしょうか?」


「うん、良いよ。僕でも多分作れるし」


「たこ焼きもそれなりに難しいですわよ?」


「流石に大丈夫だって」


「心配ですわ……」


そして諸々の準備が終わり、たこ焼き器に流し始める。ちなみに筑紫は紗夜からの強い要望によりひっくり返す時以外は大人しく座っている。


具材はタコにソーセージ、チーズを入れた。どれもそれなりの値段はするものなので美味しそうな匂いが既に充満している。


「焦らず落ち着いてするのですよ?」


「わ、分かってるって」


「危険だと感じたらいつでも私に変わってくださいね?」


「そんなに心配しなくても大丈夫だって」


「フラグですわ……」


筑紫はたこ焼きピックを持ってひっくり返そうとする。だが一個目にして悲劇は起こった。なんと勢い余ってたこ焼きが空に飛んで行ってしまった。


「いけません!」


陰で見守っていた華那はそれを見て急いで駆けつける。即座にどうするか考えた結果、落下ポイントを予想したこ焼きを口でキャッチして食べてしまったのだ。


「……申し訳ありません」


「いえ、正しい判断でしたわ」


「ごめん……」


「筑紫ちゃんはそこで座っておきましょうか」


「はい……」


「大丈夫ですわ、後で沢山食べましょうね」


少し落ち込んだ筑紫を紗夜が慰めながらたこ焼きを全てひっくり返した。そこから少し待ってたこ焼きが完成する。


「ふーふー……熱いけど美味しい」


「はい、あーん」


「ん、はむっ……」


「明るい顔の方が好きですわよ? ふーふー、あーん」


「ありがと、あむっ……」


「ふふ」


普段より多く食べさしてもらいながらたこ焼きは次々と減って行く。筑紫も叫び疲れたからかしっかりと食べていた。


「まだ食べれるでしょうか?」


「うん、食べるよ」


「ふふ、偉いですわ。あーん」


「はむっ……紗夜は食べたの?」


「えぇ、食べましたわよ?」


「ずっとあーんされるのも恥ずかしいから……あーん」


「んっ……とっても美味しいですわね」


「もっとあーんする?」


「お願いしますわ」


その後はたこ焼きがなくなるまでお互いに食べさしあったりしたのだった。

読んで頂きありがとうございます、明日から学校が始まってしまいますので更新頻度が減るのはご了承ください

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