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殲滅作戦? その5

「はぁ……はぁ……」


「これは……詰みましたわね……」


「まだ遊べるだろ?」


数十分が経過した頃、まだニャイアルたには生きてきた。いや、生かされていたのだ。だが徐々に切り刻まれHPは二人ともミリ程度しか残っていない。


そして何故か街で回復させていたMPも三割を切っていた。血管のように線が赤く蠢き、黒く不気味な武器に何かあるのだろうとニャイアルは推測する。


サヤの魔法も効かず、火の障壁も一回の攻撃でガラスが割れるような音を立てて破壊されてしまった。打つ手無しと言う言葉がよく似合うだろう。


そしてニャイアルたちにトドメと言わんばかりの心臓を狙った刃が振るわれるも、限界のサヤを突き飛ばしながらしゃがんでローリングして躱し、スナイパーライフルそのもので殴る。


だがそれも簡単に防がれてしまい何も意味が無かった。


「あと何回避けられるんだ? あとどれだけ私と遊んでいられるのだ?」


「そろそろ……トドメ刺したら……?」


「ずっと生かされてるのもあまり良い気分はしませんわね……」


「決定権は全て私にある、だが最後に力の一端をお気に入りに見せるのも悪くない、《ウェポンコピー》《サイコキネシス》」


そう言ってスキルを発動させた瞬間、手に持っている双剣と同じ物が大量に複製され、空中に浮く。それらは全てニャイアルたちに刃先を向けていた。


「どうだ? 何方とも費用対効果がとても良い、私の居る場所に辿り着く頃には持っていた方が良いぞ? ウェポンコピーは私の職業だと半分の性能しか出せないのが玉に瑕だがな」


「あっそ……ご丁寧にどーも」


「最後にお前たちの名前でも聞いておこう。手加減していたとは言えこれだけの時間遊ぶことが出来たからな」


「……ニャイアル」


「…………サヤですわ」


「しっかりと覚えておこう、《処刑人の武踊(ブラッドダンス)》」


「ぁっ……」


「くっ……」


二人が最後に見たのは、血のように赤く染まった武器と口が裂けたかと錯覚するような酷い嗤いだった。だがニャイアルだけはロクロが最後に言った言葉を聞き取る。


「私の最愛のニャイアルよ、また必ず会いに来るぞ」


そして二人は教会で目覚める。その瞬間カナルたちとレインが駆け寄ってきた。持ち物を見ると所持金は三割ほど失っており、アイテムも数個無くなっていた。


「ニャイアル様にお嬢様?! 殺られてしまいましたか……お役に立てず申し訳ありません」


「わ、私がもっと強かったら……」


「私たちも何も出来ませんでしたわ……」


「ほとんど遊ばれてたし……もうあんなのと戦いたくないよ」


「……シルクロードさんからPK集団は全て撤退したと来ていますわね」


カナルたちとレインは暗い顔をしている。サヤも今回ばかりは怖かったのか身体が僅かに震えていた。それはニャイアルも同じであるがもう一つの意味で震えている。


(僕……何でこんなに愛されてるの?)


また新たな告白をもらってしまったことをとてつもなく後悔するのだった。

読んで頂きありがとうございます、もう少しでこの章は終わります

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