殲滅作戦? その3
直ぐに追いかけたい所だが、レインの集中力と体力が切れてしまったのだ。カナルたちにも少し疲れが見えてきている。
普通の魔物もこのままでは寄ってきてしまうので、まだ無事なメイドに背負わせて一旦街へと戻ることにしたのだ。
サヤは掲示板を確認して情報を探す。
「ニャイアルちゃん、守護は任せましたわ」
「うん、近づけさせないから」
「私たちが倒したPKの大体は監獄に送られたと分かりましたわ」
「一応安心かな?」
「まだそれは出来ませんわ」
「早く諦めたら良いのに……」
「それも不自然な点ですわね。普通は全員撤退しそうですが……」
「分かんないことが多すぎるよ……あくまで僕たちのアンチとシルクロードさんの信者なんでしょ?」
「そのはずですわ、でも思っていたよりもSNSでの炎上も見かけませんわね」
「とりあえず今考えても仕方ないかな」
「今は早く街へと向かいましょうか」
ニャイアルたちは特に何も無く街へと辿り着いてしまった。警戒しながら歩くも特にそう言ったトラブルには出くわさない。
「いつも通りですわね」
「だね、僕たちに何か言ってる集団も見つからないし」
「……戦ってる最中も私たちに暴言を吐かれる方はそこまで多くなかった気がしますわ。それとシルクロードさんからメッセージが来てましたわね」
「何だろ?」
ニャイアルもサヤの隣から覗き込むように見る。件名は普段件名はあるのだが、今回は無かった。中身はこのように書かれていた。
『今すぐ逃げてくださいアンチも信者も完全な嘘とは言えませんがニャイアルさんたちを誘き寄せる餌でしただから何処かとおくに』
句読点すらなく、読みにくい文だった。余程急いでいたのか最後は変換すらなされていない。それを見てニャイアルたちは何か嫌な予感を感じ取る。
「さ、サヤ? これ不味くない?」
「あれだけのPKを纏められるのは……もしかして」
「何か分かったの?」
「メイドたちとレインちゃんはこの街に留まるかログアウトしてください、恐らく居ても邪魔になりますわ」
「お、お嬢様? ……いえ、分かりました。私たちは待機しておきます」
「は、はい……?」
サヤは苦虫を噛み潰したような表情をしていた。ニャイアルも何かを察したのか息を飲む。メイドたちとレインは戸惑っていた。
「わ、私でも戦え」
「残念ですが足手纏いになりますわ」
「ご、ごめんなさい……」
「謝ることはありません、私たちと一緒に戦ってくれて感謝しますわ」
「は、はい」
サヤは短く返信し、休む間もなくニャイアルと手を繋いだ。
「僕もあんまり分かってないんだけど……」
「まだ私も確信は持てていませんわ、でももしかしたら負ける可能性が高い気がします」
「マジで……?」
「えぇ、今は行くしかありませんわ」
そう言って砂漠エリアへと向かうのだった。
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